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発達障害メモ

2011年10月 3日 (月)

成人発達障害者支援のヒント 自動引き落としに注意せよ

 通帳の記帳はこまめに行う。残高の把握はしっかりしておく事。残高が足りなくて自動引き落としがされないと言う事がよくある。簡単な事のように見えるが、継続して行うのは発達障害者(ADHDやADD)が苦手とするところだ。家族がいる場合、しつこく促したり、代わりにする事でトラブルに発展する可能性を下げる事が出来る。しかし、単身者の場合、そうはいかない。自動引き落としがされなかった事に気付かないと、電気やガスを止められたり、携帯電話を止められたりしてしまう。また、引き落としがされているものと思い込んで生活費を全て遣い切ってしまうと、翌月に以降に支払いをしなくてはいけなくなり、生活費が減ることになる。こうしたことが続くと、生活保護受給者等の収入が少ない人の場合、生活破綻のきっかけとなる。従って、単身者の場合、残高の把握を促すサポーターが必要になってくるのである。

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2011年6月10日 (金)

発達障害 音韻の分別と読字能力

 発達障害の方との心理のセッション中、ひょんな事から、動物園の話になる。相手はぞうぶつえんを繰り返す。

 ぞうぶつえん。それはなんぞ???。聞いてみる。

 どうぶつえん、と言う音韻がこの人には、ぞうぶつえん、と聞こえるらしい。そして、象がいるからぞうぶつ園、と50年間そんな理解をしていたらしい。

 恐らくこうした聴覚刺激の不正確な把握は一例なのだろう。

 音韻に対する認識力が持てるようになると、読字能力は安定していく。この方の場合どうなのだろう。少し苦手で、しっくりいかない点は、誤った意味付けがなされるようだ。

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2011年1月31日 (月)

発達障害 情緒や問題の改善と問題行動の改善

 能力障害とは関係のない一般環境の調整、サポーターの心理的援助により、情緒や問題行動が改善しても、能力障害は持続し、学習上の問題は既存の精神科的援助では改善しない。些細な出来事から問題が再燃する。

 案外、専門家を名乗る人の中にも知らない人が多い。

2011年1月28日 (金)

発達障害の理解の為のヒント 読解力

 読解力の背景には状況を理解する力が必要となってくる。意味理解、表出には、文章を読み取る力として、経験に基づく豊かな感性が必要になってくる。感性は理論的思考でなく、右脳の発達に基づく。

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2011年1月26日 (水)

発達障害メモ 非言語性学習の理解のためのヒント① 非言語性学習の構造

 非言語性学習は聴覚、視覚のみでなく、触覚、味覚、嗅覚の感覚器からインブットされる刺激の影響が大きい。従って感覚器の障害は非言語性経験を歪めてしまう。

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2009年9月10日 (木)

発達障害メモ 学習障害 薬物と書字障害と読字障害と算数障害

 あくまでも臨床経験から言えることですが、書字障害は薬物療法である程度は改善する。でも、読字障害と算数障害は改善されない。そんな訳で、読字障害と算数障害を抱える人は、あの手この手を用いて、障害を補っています。

2009年6月 9日 (火)

発達障害メモ 成人男性における身体表現性障害

 これはあくまでも臨床経験に基づくものです。

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2009年3月20日 (金)

カウンセリング・精神療法 脳の情報蓄積について

 入力は入力のみ。
 出力は出力+再入力。

 知識や情報を活用(出力)することは
 再入力されることとなり、
 知識や情報をしっかり保持することに繋がる。
 知識や情報の残存率が上がっていく。

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2009年3月17日 (火)

発達障害メモ カリキュラムとは②…RUMBAの法則

RUMBAの法則…教育目標の持つべき性格
教育目標は現実的であること…REAL
 学習者が教育目標に達した時に「どのような問題が解決できるのか」、「どのようなニードを満たすのか」が明らかになっていれば、学習意欲は刺激される。
 教育目標には、学習者のニードが反映される必要があり、教育目標は前もって学習者に理解されている必要がある。
 教育目標は柔軟性を持ち、状況の変化に応じて変更されるべきものである。
教育目標は理解可能であること…UNDERSTANDABLE
 教育目標は互いに関連して編集されなければいけない。
 教育目標は、達成されるべき行動を教育目標分類学(TAXONOMY)に基づいて記述されるのが良い。
教育目標は測定可能であること…MEASURBLE
 教育目標を達成されたかどうか評価するためには、それが測定できるものでなくてはならない。そのため、教育目標は観察可能な行動用語で述べられていなければならない。
 教育目標は、学習者が目標の達成を示す際のレベルや制約も考慮されていなければならない。
教育目標は行動的であること…BEHAVIORAL
 教育目標は、学習者の行動を表わす用語で具体的に示されている必要がある。項目を列挙するだけでは教育目標にはならない。
 学習者の行動目標には、認知(知識)、情意(態度・習慣)、精神運動(技能)の3領域を含めるべきである。この内、精神運動領域すなわち技能目標は最も具体的に示しやすく、情意領域は最も難しい。
教育目標は、達成可能であること…ACHIEVABLE
 教育目標は、学習の原理に則り、かつ心理学的に実行可能な用語で述べられるべきである。
 教育目標は、その達成のために必要な時間や人的・物的資源などを確認した上で設定しなければならない。
必要最低限レベルを示すよう記述されなければならない。教育目標は絵に描いた餅であってはならない。

 上記5項目の全てがSBOsに当てはまるが、MとBの2項目はGIOにはあてはまらない。

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発達障害メモ カリキュラムとは①

カリキュラム
 カリキュラムとは、教育活動計画書である。カリキュラムによって、学習者はある特定の目標に達成する為の学習が可能となる。カリキュラムとは、目標・方略・評価の3要素からなり、必要に応じて改変される。

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2009年3月16日 (月)

カウンセリング・精神療法 臨床の中で用いるフィードバックについて

 普段、セッションの中でフィードバックと言う言葉を多用する私であるが、フィードバックって何、と聞かれることがある。そんな時、こんな風に説明する事にしている。

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2008年12月 8日 (月)

発達障害メモ 薬を減らすのが目的ではない

 併存障害(発達障害と一緒にある病的な状態)がある場合を除き、基本的に発達障害の人には精神薬が必要でない、と記載されている一般向けの発達障害関連の本は多々ある。私の臨床経験からしても、確かにその通りだと思う。

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2008年10月 2日 (木)

脳の快適な興奮状態と側坐核

 仕事柄、新しい知見は大切なので学術論文を読まなくてはいけないことがあります。勤務時間内に読む時間はないので、それ以外の時間を使わないといけません。やりたい事が一杯の私にしてみたら、正直言って苦痛です。それでも読んでおかないと困るので時間を作って読む訳です。従って、動機付けは低く、読む気が起こりません。また、テクニカルタームが散りばめられ小難しい言い回しが多用してある文献は、読む気力を確実に奪います。そんな状態で、学術論文を読む気力を奮い立たせるのは大変です。気持ちを切り替えて、切り替わりません。読もうとしてもやる気が起こりません。強制的に読んでも文字は読めますが、内容が頭に入りにくい。

 そんな時、私は脳のウォーミングアップをしてから始めます。読みやすそうな週刊誌や新聞の記事を読むのです。短時間で読み終えることの出来る記事を2~3つ読むのが良いみたいです。それから、学術論文を読みます。すると、摩訶不思議、学術論文が読み易くなる。内容もスラスラと頭の中に入って行きます。

 ホンマかいな、と御思いの方もいるかもしれませんが、これは、短時間で済む簡単な作業をすることによって脳の中に快適な興奮状態(エミール・クレペリンが発見した原理で、『作業興奮』と呼びます)を生じさせ、意欲を生じさせると言う理にかなった方法です。

 脳の機能で説明するとこんな風に説明が出来ます。人間の脳には、側坐核と言う部位があります。大脳辺縁系の中にあり、意欲の発生に大きく関与していると考えられている部位です。短時間で済む簡単な作業をすることで、側坐核が刺激されるので、やる気が芽生えてきます。脳と言うのはある程度活性が高い状態の方が快適に働きます。従って、脳が快適な興奮状態だと、意欲の湧きにくい課題であっても比較的取り組み易くなるのです。ただ、短時間で済む簡単な作業と言っても、日常生活の中で無意識に行っている習慣化された作業をしても快適な興奮状態にはなりません。ご注意を。

 尚、このような脳の仕組みをカウンセリング・精神療法の場で用いる事があります。特に、脳の覚醒レベルが低いと考えられているADDと診断された人で、ある種の訴えをされる人によく用います。周囲の評価は、「効果あり」ですが、当の本人は顕著な変化が現れるまでは「効果なし」と言います。

2008年8月27日 (水)

ADHDとADD フィードバックの間隔

 あくまでも私が臨床場面で関わっている外来のケースの中でよく見られる現象です。

 ADHDやADDの人に対し、隔週で診察と支援の為の心理療法を行っていますが、治療者及び患者さんが急用でセッションを連続して休む等してその間隔のリズムが大きく崩れると、その後、ネガティブなフィードバックが生じ易くなり、調子を崩す人が案外います。調子を崩し易いのは、ポジティブなフィードバックが定着しかけた患者さんたち。治療者からのポジティブなフィードバックが止まってしまい自力でポジティブなフィードバックが円滑に行えないからなのだろうか、治療者不在で不安が顕在化され易くなるためなのか、と考えていますが、よく判りません。

2008年8月17日 (日)

発達障害 成人期以降の隠れた発達障害を炙り出す

 発達障害は周囲から見えにくい障害である。その為、凡そ10%程度の発達障害時が乳幼児期の検診等をすり抜けてしまうだろう、と推測されている。また、近年の疫学調査から、発達障害を持っている人は従来考えられていた割合よりも多い、と言う事が判ってきており、実際にはかなりの割合の人が、未診断のまま成人期を迎える人が多い。
 最近は、真偽を問わず発達障害に関する情報が溢れていることもあって、発達障害バブルって感じ。自らが発達障害を疑ったり、家族が疑って医療機関に相談に来る人が増えている。しかし、『発達障害』と看板を掲げ専門的に診断を行っている医療機関は少なく大勢が殺到してしまう為、診断を受けるまでに数ヶ月も待ちがあったり、診察時間が短時間であったりと言った具合。また、稀ではあるが『発達障害』と看板を掲げているものの、集客の為なんてところもある。反対に、患者さんが押し寄せ、診療に支障が出ないように医療機関でひっそりと手堅い診療をしているところもあります。

 さて、成人期以降の発達障害と診断する場合、こんなことが行われるだろうと思います。簡単に纏めてみます。

 ①WAIS‐ⅢやWAIS‐R等の知能検査を行う。
   能力の不均衡の度合い(偏り)の評価。
   言動面の評価。
   簡単な学習能力(読み・書き・計算)の評価。
   認知処理の仕方をチェックする。
 ②人格検査を行う。
   言動面の評価。
   認知処理の仕方をチェックする。
 ③神経学的微兆候(soft neurological signs)を確認する検査を行う。
   運動機能の未熟性の有無の評価。
   運動統合性の評価。
 ④時間をかけて生育歴等の聴取。
   客観的な情報の提供を求める。
    通知表、子供の頃の作文や絵画、ビデオ映像等。
   社会的・心理的要因の把握。
   軽度の異常を伴う疾患の有無の聴取。
    染色体異常や機能障害の把握。
 ⑤構造的な面接の実施。
   症状の確認。
   言動面の評価。
 ⑥その他。
   脳波や画像による検査…余り意味がないと思います

 このような作業の中から症状を読み取って診断を進めていく為、診断をする側の経験が大きく診断を左右します。つまり、一定の手順通りに行っていくが、職人芸の世界と言う事。特に発達障害の診断と言うのは、一般の疾患の診断とは違って、正常との連続性(スペクトラム)があり、正常と異常の線引きが主観的になってしまう事が往々にあるので注意をしなくてはいけません。経験がない専門家は、ここで躓いてしまいます。
 また、あくまでも診断は通過点であり、その後の支援を如何に組み立てるのかが重要なのです。診断が出来てもここで躓いてしまうこともあり、やはりここでも経験が要求されます。

2008年6月23日 (月)

発達障害 病名告知でのトラブル

 発達障害なんて診断名は嫌だ。
 診断名をうつ病に変えて欲しい。
 発達障害は治らないが、うつ病は治る。
 主治医が躁鬱病ですと診断したのに、
 あなたが発達障害なんて言い出すから、
 主治医が診断名を変えてしまった。

 以前、心理のセッション中の患者さんからこんな訴えがあった。

 診断名を変えても状況は変らないのだが、
 診断名が変わると本人の気持ちは変る。
 そんな訴えをしたくなるのも何となく理解出来る。
 この患者さんは告知されたショックで、不適応状態。
 診断名が窮屈で仕方がないのだろう。

 主治医からどんな病名告知を受けていたのか。
 気になって仕方がなかった。

 次のセッションに家族も同席したい、と言ってきた。
 家族は、主治医とのやり取りを録音したテープを
 聞いて欲しい、と言ってきた。
 それは、紛れもなく主治医の声。
 病名告知の時のものだった。

 発達障害です。
 うつとかと違って生まれながらの脳の障害です。
 治りません。
 能力のバランスが悪く、不器用です。
 不器用なのに人と同じ事を求めるので、失敗します。
 失敗が積み重なれば、誰でもうつになります。
 人には人の持って生まれた能力があります。
 能力が足りない人は、
 能力がある人のようになるのは無理です。
 医者になりたくても誰もが医者にはなれません。
 能力がある者しか無理です。
 社会と言うのは、そんなものです。
 私は医者になる能力を持っていました。
 でも、○○さんにも、お母さんにもありません。
 生まれ持った能力が違う。
 高望みせず、
 自分に合った人生を見つけることが大切です。

 本人も家族も主治医の話の内容に腹を立てていた。
 こんな事を言われれば、当然である。
 それに、発達障害なんて診断されたくない、
 と言う気持ちも理解出来る。

 改めて、本人と家族に診断の根拠と見通しを話した。
 勿論、治らないと言うことも伝えた。
 しかし、治らない、の後に、補える、を付け加えて。

 本人の頭の中には、
 主治医とのやり取りが残っているようだった。
 しかし、治らないが他の能力で補えると言うことで、
 家族には少しだけ見通し(希望)が持てたようだ。

 発達障害への馴染みが薄いと、
 見通しが持てなくて失敗する。
 発達障害の専門家になる為には、
 この手の失敗は付き物なんだろう。
 私もよく失敗をしたものだ。

 当然の事ながら、主治医に
 この件についてのフィードバックをしておいた。

【お薦め本】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
成人期のADHD―病理と治療
「わかっているのにできない」脳〈1〉エイメン博士が教えてくれるADDの脳の仕組み
「わかっているのにできない」脳〈2〉エイメン博士が教えてくれるタイプ別ADD対処法
ADHDの臨床 ―21世紀からのアプロ−チ 現代のエスプリ (No.414)
自閉っ子、こういう風にできてます!
発達障害の心理臨床―子どもと家族を支える療育支援と心理臨床的援助
友達ができにくい子どもたち―社会性の発達と援助法
発達障害児者の問題行動―その理解と対応マニュアル
アスペルガー症候群と学習障害―ここまでわかった子どもの心と脳
アスペルガー症候群と高機能自閉症青年期の社会性のために―よりよいソーシャルスキルが身につく
あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

2008年6月10日 (火)

発達障害 症状の回復の度合は調子が悪かった時と比べなければ分からない

 治療を開始して明らかに調子が良くなってきたように見えるケースがいる。それは本人と家族を除いた誰もが認める事実である。しかし、本人と家族は否定する。特に家族は、調子が悪くて困ります、調子が悪いのは今受けている医療サービスの質が悪いのではないか、医療サービスを受けるのを止めよう、と言い出す始末。

 何でこんな事が生じるのだろうか???

 それは、周囲が調子の悪い時と現状を比べているのに対して、本人と家族は絶好調だった時やこうありたいと言う理想像と現状を比べているから。比べる対象の違いがこうした見方の違いを生じさせる。

 症状の回復の度合は調子が一番悪かった時と比べなければ分からない。ここがこれだけ改善したと実感する事が大切。改善していると言う実感が持てることで、これからも頑張ろうと思える。絶好調だった時や理想像と比べてもどの位改善しているかなんて分からない。分かるのはどれだけ望みに追いつけていないかと言う事だけ。治療意欲にも支障が出る。これだけ頑張っても駄目、と言う意識が根付き、先の見通しが持てなくなって来る。その内に自分は頑張っているのに周囲が悪い、と信じ込み、他罰化する。

 絶好調だった時や理想像と比べる本人や家族に、症状の回復の度合は調子が一番悪かった時と比べなければ分からない。こう説明すると、悪い時と比べてよくなっているのは当然だ、と返って来る。治療と言うものは、絶好調の状態にする事や理想像に近づけると言う事ではない、とその度に思う。

2008年5月19日 (月)

発達障害 非定型うつ病と辺縁系型ADD

 診断基準を見た時に、何だかエイメン博士が提唱している辺縁系型ADDに良く似ているなぁ、と思う事が多々ある。まぁ、うつと辺縁系型ADDは、脳の同じ部位が過覚醒するのだから同じあっても不思議ではないのだが…

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 非定型うつ病は、憂うつな気分だが好きな事・興味のある事に対しては意欲が湧く。一方で、嫌な事に対してはやる気が起こらない。自他共に、怠け者、我侭病、と評価を下してしまう事が多々ある疾患である。
 近年、増加傾向にあり、このままでいくと、うつの診断の枠組みが不鮮明になっていく可能性が高い。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 私が引っかかるのは、好きな事・興味のある事に対しては意欲が湧く、嫌な事に対してはやる気が起こらない、と言う興味・関心に志向性の問題。また、不適応状態で症状が問題化すると言う環境因の関与が大きいところ。そんなところに、非定型うつ病は実は辺縁系型ADDではないかと物凄く強く感じるところである。実際、これらは軽度発達障害者にはよく見られる症状である。また、既往歴を詳しく聞いていくと、心身のいずれかに発達の障害が出てくることも多い。リタリンの効果が良く現れたりもしていた。あくまでも、経験から何となく感じることですが…。

 ただ、エイメン博士の提唱する画像から分類した6つのタイプのADD自体、非常に新しい考え方で学会では興味関心が向けられていないのが実情である。その為、非定型うつではなく辺縁系型ADDなんて主張しようものなら臨床家とのセンスを疑われかねない。しかし、経験豊富な治療者達は、自らの臨床経験と合致する事が追い事から、エイメン博士のユニークな着想を興味深く捉えている。

【お薦め本】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
成人期のADHD―病理と治療
「わかっているのにできない」脳〈1〉エイメン博士が教えてくれるADDの脳の仕組み
「わかっているのにできない」脳〈2〉エイメン博士が教えてくれるタイプ別ADD対処法
ADHDの臨床 ―21世紀からのアプロ−チ 現代のエスプリ (No.414)
自閉っ子、こういう風にできてます!
発達障害の心理臨床―子どもと家族を支える療育支援と心理臨床的援助
友達ができにくい子どもたち―社会性の発達と援助法
発達障害児者の問題行動―その理解と対応マニュアル
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あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

2008年4月18日 (金)

発達障害 サメガメ、何も考えずに没頭出来ると評判のゲーム

 数人の成人期の発達障害の人達に紹介したところ、意外に人気だったのが、『サメガメ(same game)』と呼ばれるゲーム。無茶苦茶消す人、高得点狙いの人、全部消そうとする人と色々いらっしゃって、色々な楽しみ方があるようです。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
サメガメとは、
 ゲームのルールは簡単で、上下左右に隣り合っている同じ色の駒を消していき、消せる駒が無くなった所で終わりになります。一度に沢山の駒を消すとそれだけ得点が高くなると言う単純なものです。
 ゲームはフリーソフトのものが大半で、検索してダウンロードすれば簡単に手に入れることが出来ます。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 マウスの使い方も簡単なので、知的能力が低くても遊ぶ事が出来ます。また、ゲームに要する時間はそれ程長くないので、集中が続かない人も楽しめます。単純なので何も考えずに没頭出来ると評判です。

 興味がある方はお試しあれ。

【お薦め本】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
成人期のADHD―病理と治療
「わかっているのにできない」脳〈1〉エイメン博士が教えてくれるADDの脳の仕組み
「わかっているのにできない」脳〈2〉エイメン博士が教えてくれるタイプ別ADD対処法
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発達障害児者の問題行動―その理解と対応マニュアル
アスペルガー症候群と学習障害―ここまでわかった子どもの心と脳
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2008年4月14日 (月)

発達障害 失敗経験の積み重ねと適正な支援

 見通しとは、物事の全体の状況(全体構造)を把握し、洞察力を用いて様々な課題を処理していく能力のことである。洞察力も然ることながら全体の状況を把握出来るかが生命線となってくる。全体の状況を否定的にしか捉えられない習慣が身についていると、いつも悪い見通しばかりと言うことになってしまう。

 発達障害の人は、どうせそんなことをやっても無駄、自分は上手く行かない、と言う支援に対する見通しの暗さや無力感を持っていることが多い。十分に出来ることですら出来ないと言う見通しを持ってしまい、取り組もうとしない。発達障害者だから見通しの暗さや無力感を抱く訳ではない。こんな環境にどっぷりと浸かっていれば、誰も次第に見通しが暗く、無力感で満たされるようになっていく。こうしたものは、失敗経験の積み重ねで強化される。失敗経験が多ければ多いほど、強固なものになる。周囲に気付かれないで支援が遅れた発達障害者程、対応の拙さから失敗経験が増える。

 その為、発達障害者の支援を考える時、見通しの暗さや無力感をどのように扱うかを考えていかなくてはならない。適切な方法を用いれば上手くいく経験、自分にも何とか出来たと言う経験をしてもらうことが大切なのだ。しかし、言葉で言う程簡単なものではない。そうは簡単にいかない。失敗するパターンとしては、ハイリスク、ハイリターン的な発想で大きなことへの挑戦。早く自信を付けたいと言うのは分かるけど、更に自信を失ってしまうことも多い。

 支援する際、計画性とタイミングが重要となってくる。計画の速度がゆっくり過ぎたら焦ってハイリスク、ハイリターン的な発想が生じる。速過ぎると躓きが増える。如何に程よいタイミングを見極めるか、それが問題だ。

 以前、発達障害者を支援する専門家に計画性とタイミングの見極めが重要です、と話した時、誰にでも出来る計画性とタイミングの見極めのコツを教えて下さい、と言われたことがある。こればかりは発達障害者とのコミュニケーションを増やして見極めていかないと難しい、事例を通して学んで下さい、と返した。コツを教わったからと言ってそんなに簡単に出来るものではないと思う。



【役立つ本】
 ★自閉症/アスペルガー症候群 RDI「対人関係発達指導法」―対人関係のパズルを解く発達支援プログラム
 ★軽度発達障害児のためのSST事例集
 ★発達障害のある子の困り感に寄り添う支援 (学研のヒューマンケアブックス)
 ★脳科学と発達障害―ここまでわかったそのメカニズム (シリーズCura)
 ★子ども虐待という第四の発達障害 (学研のヒューマンケアブックス)

2008年4月 3日 (木)

発達障害 介護・福祉サービスを提供する側への支援

 最近、発達障害者が介護福祉サービスを受ける機会が増えている。サービスを提供する側は何の気なしに受ける。そして、受けてみたものの関わり方が分からずに四苦八苦と言う事が多い。ああ困った、って感覚で、書店に溢れる発達障害の入門書を呼んでもよく判らないことばかり。専門書に書いてあることを関わっている発達障害者に当てはめていくのも一苦労だったりする。発達障害者に馴染みの薄い人であったら、極当たり前の事だ。

 さて、そんな時どうしたらいいのか。

 発達障害に詳しい専門家に、抱えている問題について具体的に相談し対処法を学ぶ。これが出来るか否かで、サービスを提供する側の対処能力が変わってくる。事例を通して学んだ方が、対応技術が定着し易い。

 私は、発達障害者が心理療法を受けに来た時、付き添って来たヘルパーさんにも連携・情報収集と言う名目で時間を割くようにしている。そして、抱えている問題について具体的に対処法を提示している。また、ケア会議に呼ばれた時には、抱えている問題について具体的に対処法を提示している。

 サービスを提供する側にちょっとした時間で良いから相談出来るところがあると言うのは大切だ。明らかに対処能力が変わってくる。そして、対処能力が向上してくるのが分かると、関り易さを実感するようになる。

 ただ、何処がこんな相談に乗ってくれるのか、となると…。大学のカウンセリング・センターで受けてくれるところもあるし、医療機関で相談に乗ってくれるところもある(但し、料金が発生する場合もあり)。何処が良いのかはよく分からないので、口コミを頼るのが無難かもしれない。



【役立つ本】
 ★自閉症/アスペルガー症候群 RDI「対人関係発達指導法」―対人関係のパズルを解く発達支援プログラム
 ★軽度発達障害児のためのSST事例集
 ★発達障害のある子の困り感に寄り添う支援 (学研のヒューマンケアブックス)
 ★脳科学と発達障害―ここまでわかったそのメカニズム (シリーズCura)
 ★子ども虐待という第四の発達障害 (学研のヒューマンケアブックス)

2008年2月18日 (月)

発達障害 ホッとする時間

 発達障害者は、能力のアンバランスさ故に、子供の頃から、得手不得手がはっきりしている事が多い。その為、物事の理解が悪かったり、不器用であったり、段取りが悪かったりすることが多い。当の本人は必死にやっているのだが、如何せん上手くいかない。気の毒だ。
 そんな発達障害者を見て、家族等の発達障害者の周囲にいる人はイライラする事が多い。時に怒ったり、不快な気持ちを態度で表したりする。ある程度関わり方を学んだ家族でも、こんな言動が見られる(発達障害者と過ごすのが大変だから無理もない)。
 そして、いつしか一部の発達障害者は周囲に対して敏感になっていく。怒られはしないか。無意識の内に周囲を不快にしてはいないか。嫌われるような行為をしていないか。そんな事を心配していく。人と過ごす場面では始終こんな調子だそうで、とても疲れるのだそうだ。

 そんな訳で、何人かの発達障害者は、毎日、ホッとする時間と言うのを作っている。このホッとする時間と言うのは、家族が寝静まってから気を遣わずに過ごせる一人だけの時間の事。コーヒーを飲みながら好きなビデオを見たり、好きな音楽を聴いたり、本を読んで過ごすのだそうだ。時にぼんやりと過ごす事もあるそうだ。ただそれだけなのだそうだが、気持ちが落ち着くのだそうだ。
 もともと一人の発案であったが、今では何人かに広がっていった。周囲にピリピリと気を遣わずに自分のペースで過ごせるのでホッと出来ると家族と同居している発達障害者の間で好評である。



【発達障害理解に役立つ本】
あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド←当事者・家族・知識の乏しい専門家の皆さんに好評です。
日本版WAIS‐Rの理論と臨床―実践的利用のための詳しい解説←心理臨床家向きの本
軽度発達障害児のためのSST事例集
発達障害の心理臨床―子どもと家族を支える療育支援と心理臨床的援助
友達ができにくい子どもたち―社会性の発達と援助法
発達障害児者の問題行動―その理解と対応マニュアル
アスペルガー症候群と学習障害―ここまでわかった子どもの心と脳
のび太・ジャイアン症候群4 ADHDとアスペルガー症候群―この誤解多き子どもたちをどう救うか
アスペルガー症候群と高機能自閉症青年期の社会性のために―よりよいソーシャルスキルが身につく
あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド

2008年2月14日 (木)

ADHD 課題遂行場面でのミス

 ADHDの人は、課題を遂行していく上で二通りのミスを犯すことが多い。一つは、脳の覚醒水準を一定に保てない(集中できない)ために生じるミス。そして、もう一つは、衝動性が抑えられずに生じるミス。

 脳の覚醒水準を一定に保てないために生じるミスは、急激に睡魔が襲って来た感じの時と同じで、次第に覚醒水準が下がってしまうので、どんどん注意力が低下していくものである。
 一方、衝動性が抑えられずに生じるミスと言うのは、カルタのおてつきと同じ様な感じで刺激を余り確認しないで行動する事で生じるものである。

 同じミスにも二通りあり全くの別物だが、注意欠陥と一括りにされてしまうことが多い。その為、それらを見極める観察力が、専門家には要求されるのだ。



【発達障害理解に役立つ本】
あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド←当事者・家族・知識の乏しい専門家の皆さんに好評です。
日本版WAIS‐Rの理論と臨床―実践的利用のための詳しい解説←心理臨床家向きの本
軽度発達障害児のためのSST事例集
発達障害の心理臨床―子どもと家族を支える療育支援と心理臨床的援助
友達ができにくい子どもたち―社会性の発達と援助法
発達障害児者の問題行動―その理解と対応マニュアル
アスペルガー症候群と学習障害―ここまでわかった子どもの心と脳
のび太・ジャイアン症候群4 ADHDとアスペルガー症候群―この誤解多き子どもたちをどう救うか
アスペルガー症候群と高機能自閉症青年期の社会性のために―よりよいソーシャルスキルが身につく
あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド

2008年2月12日 (火)

発達障害 寿命と障害受容、障害否認の受容と関係改善

3o7ftpsa  似たような症例に出くわした。
 それは、親が子供の障害を20〜30年もの間否認し続けてきたものの、自分の寿命が限りあるものだと気付き、親が障害受容せざる得なかったと言う症例。誰が見ても障害がある事は一目瞭然なんだけど、20〜30年もの間、若しかしたら特効薬が登場するかも…、なんて願いつつ否認していた。この間、徹底して子供に障害がないと刷り込んでいた。障害を否認したい気持ちは判らなくはないので、私は話を伺いながら、辛かったでしょうね、等と労ったりする。

 障害がない、と20〜30年もの間刷り込まれていった子供の方の障害受容は進んでいかない。(例え、重篤な障害があっても)自分は障害者ではない、と信じてしまっている。そんな訳で、治療や福祉サービスは障害者臭くて嫌だ、と言って拒否をする。打つ手がないので、何か問題に直面した時にしか関われないのかな、なんて思う事もしばしばあった。

 確かに障害受容は必要だけれど本当に障害受容がこうした本人たちに必要なのか、と考えた時、余り必要ではない、と思えた。障害がないと思う事で落ち着いていられるのなら、それでいい。そう言うスタンスを大切にすることで他者との関係が維持出来るのであればそれでいいのではないかと…。

 複数の症例で試してみた。すると、最初に相手の思いを尊重していくことで、随分まろやかになる症例が多かった。当然と言えば当然なんですが、その時は、何とかしよう、と言う自分の気持ちが強くて大切な事を見落としていたのだと思います。まだまだ未熟です。



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2008年1月29日 (火)

ADHD(注意欠陥多動性障害) ADD(注意欠陥障害)は家族内に多発する

 オーストリアの児童精神科医フローレンス・レヴィやダニエル・エイメンの調査報告は、ADD(注意欠陥障害)が家族・親族内に多発する、と言う事を物語っている。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 
二卵性双生児の一方がADDの時、もう一方もADDである率は、29%
 一卵性双生児の一方がADDの時、もう一方もADDである率は、81%
 両親の一方がADDの場合、子供もADDである率は、60%
 両親が両方ともADDの場合、子供もADDである率は、85〜90%
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 こうした報告は、発達障害の専門家であれば臨床の現場で薄々気付いている。こんな風にはっきり数字となって示されると、ああやっぱり、って具合に感じる。

 更に今日、遺伝子的な問題である事も判って来た。
現在問題視されているのは、第六染色体のHLA遺伝子、第五染色体のドーパミントランスポーター遺伝子、第十一染色体のD4レセプター。その為、一部の場合を除き、ADDは遺伝を介して親から子へと伝わっていくものだと言う考え方が共通認識になろうとしている。

 経験的に、ADDの場合、特に不適応時に症状が問題化すると言う特徴を持っているので家族の誰かが調子を崩すと、調子を崩した人以外の家族も調子を崩す事が多い。不安定で訴えが多くなったり、イライラしたり、不眠になったり、うつになったり、しつこくなったり、って具合にADDの症状が現れてくる。そして、最初に調子を崩した人が軽快すると、速やかに安定する。家族内を観察するだけで、診断が下せてしまいそうだ。

 
ADDは家族・親族内に多発する。紛れもない事実である。しかし、家族・親族に同じ症状が出るとは限らないものの、不適応時に症状が問題化してくる。

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2008年1月28日 (月)

発達障害 我が家は関係ないと無関心な保護者

 或る中学校のPTAが保護者を対象に、発達障害についての勉強会を予定している。講師は発達障害支援の最前線で働いている専門家に依頼してあるそうだ。

 案内状を保護者宛に出したところ、反応は芳しくなかった。あれだけ世間で発達障害って言っているのにこの有様、と企画したPTA役員はがっかりしていた。どうも我が子とは無関係の話として認識されていたらしい。

 今問題化していないからと言って、発達障害とは無関係とは必ずしも言えない。乳幼児健診をすり抜けてしまう発達障害者は全体の10%程度。すり抜けた10%は、一寸変った子程度で大きくなっていく。しかし、節目節目で躓いて、不適応を起こして症状が問題化してくる。中には、一生症状が問題化せずに終える人もいるし、70歳を越えて症状が問題化する人もいる。発達障害は不適応状態で症状が問題化すると考えると判り易いかもしれない。

 さて、発達障害についての勉強会を企画したPTA役員たちは、何とか参加者を増やそうと躍起だ。あの手この手で勧誘している。それでも参加者が伸びず、学校関係者以外にも声掛けをしている。ただ、そこまでして参加者を増やさなければいけないのか、疑問ではあるが…。



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2008年1月24日 (木)

ADHD(注意欠陥多動性障害) 嫌な事を想像すると脳が刺激される

 脳の活動を画像で捕らえる事が可能になり、色々な事が判ってきた。そんな中で興味深いのは、嬉しい事を想像すると脳の活動は辺縁系を中心に静まり、嫌な事を想像すると脳の活動は辺縁系と前前頭皮質を中心に活発になると言う事であった。

 辺縁系と言うのは、感情の向きと密接に関わりを持っている。活動が活発になればなるほど悲観的で後向きの発想が強くなる。そして、良いことでも悪い事でも関係なく全てを悲観的で後向きに捉えてしまう傾向がある。

 うつの人は辺縁系の活動が活発になっている(うつになると脳の活動が低下してしまうと信じている人達には受け入れれてもらえないかもしれませんが…)。一部のADHDの人も辺縁系の活動が活発になっている。うつとADHDは非常に良く似ている。うつと誤診されるのはこの為である。しかし、両者の違いは、うつが前前頭皮質の左側のみ活動が低下しているものの集中すると全体の活動が活発になる。それに対して、ADHDの場合は集中しても前前頭皮質全ての活動が低下したままである。

 微妙な違いであるが、実はこの違いが診断する際には大きい。

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2008年1月20日 (日)

発達障害 意外に多いADHD???

 或る疫学調査では、ADHDは20人に1人の割合で存在すると言う結果が出た。また、精神科病院に於いては、3人に1人の割合なのだそうだ。

 この割合を多いと思うか否かは、夫々の判断によるのだが、私は、ADHD傾向を持っている人は多いので当然の結果、と言う印象を持っている。そして、更に付け加えるのであれば、その中で、社会適応に失敗する人が5人に1人位いるのだろうと考えている。つまり、100人に1人程度がADHDの症状が問題化しているのだと考えている。

 ADHDと言うのは、社会適応をしている状態では、症状が問題化することはない。不適応状態に陥って初めて症状が問題化する。従って、のらりくらりと適応していて、年配になってから症状が問題化するケースもある。ADHDは子供の障害と言う間違った情報が飛び交っている事もあって、年配になって症状が問題化すると、パニック障害、うつ、適応障害、認知症、なんて診断が下される事が少なくない。そして、治療が進まないケースと化することも多い。

 ADHDと言うのは、考えられているより多種多様の二次的な障害を引き起こす。関わりに慣れていても二次的な障害の範囲の広さには驚かされる事も多い。ただ、その割りに、ADHDの診断の大きな手掛かりとなるようなエピソードはよく似たものが多い。何でこんなに多くのケースで似るのだろうか、と不思議に思う。

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2007年12月29日 (土)

発達障害 発達障害と心理療法

 発達障害者に心理療法をしても、発達障害自体を治療する事は困難である。発達障害は脳の機能の障害で不可逆性の障害であるから、当然の事である。発達障害者に心理療法は二次的な障害に有効である。そこを勘違いする人がいる。心理療法を受ければ、発達障害が治るかの如く考える人がいるが、二次的な障害が改善されると考えを修正した方がいいかもしれない。

 時々、カウンセリングや精神分析で発達障害を治したいと言う人が来る。また、話を聞いて思いを吐き出させ発達障害を何とかして欲しい、と注文を付けてくる発達障害者を心理療法に誘導してくる精神科医もいる。だから、心理療法をしても、発達障害自体を治療する事は困難である旨を伝え、具体的に困っている事に焦点を当て対処法を身につける訓練をしましょう、と提案する。若しくは、治すではなく癒すにしましょう、と提案する。 

 この辺を最初に確認し、途中で何度も確認して進めて行かないと、後から、カウンセリングとは名ばかりで話を十分聞いて貰えない、と苦情が出て来る。二次的な障害に対し一定の効果が出ている事には満足されているが、話を十分聞いて貰えない、と言われる。確かに訓練的な色合いが濃いので、ご尤もである。

 時々、一定の効果が出ているが話を十分聞いて貰えない、と言い、終了を申し出る方もいる。納得のいく医療を受けることは権利ですからね、と引き留めはしない。こちらの力量不足を謝罪する。その後、余所を渡り歩いて、ここが一番マシだった、と戻ってくる方も案外いる。以前より動機付けが強くなり、満足度が高まる分、効果が上がる事も。雨降って、地固まると言うやつである。

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2007年12月27日 (木)

発達障害 側頭葉に問題を抱えるケースに効く薬

 記憶障害がある若年性のアルツハイマー病(認知症)の疑いで40代の患者さんの検査依頼が来ることがある。アルツハイマー病の程度を調べる検査をすると、認知症ではなく発達障害、と言う所見になる患者さんが時折いる。念の為に生育歴を聞くと、発達障害を強く感じるエピソードがゴロゴロ出てくる。こんな場合、迷わず、発達障害と判断する、と所見に記載するのだが、当然の事ながら検査を依頼した精神科医は反発する。更に詳しい検査の依頼が来るのだが、やはり、発達障害と判断する、と所見に記載する。まぁ、ここまで発達障害って所見にすると、背景に発達障害はあるかもしれないがアルツハイマー病だと思います、なんて結論を出し、アルツハイマー病として治療をしていく。

 数ヵ月後、症状が軽快してくると、脳の機能が改善しているはずなので調べて欲しい、と再検査の依頼が来る。結果は大して変らない。検査時の様子も混乱し難くなっただけで変らない。やっぱり、認知症ではなく発達障害、と所見に記載する。精神科医は、心理検査なんてあてにならない、アルツハイマー病に効くアリセプトと言う薬が効いた、と言い出す。

 今紹介したような認知症の疑いとされるケースは、時々いる。認知症とは診断するには今一つ根拠が弱い為に心理検査となる。結局、心理検査で否定されてしまうので、やっぱり認知症と感じた自分の直感を信じようなんて事になる。

 さて、前置きが長くなってしまったが、発達障害者に効く薬として、アリセプトと言う薬がある。この薬、実はアルツハイマー病に効くのだが、側頭葉に問題を抱える発達障害にも効くのである。一部の人は知っているが、大半の人は知らない。

 尚、欧米では、記憶障害がある発達障害者にアリセプトが効くと言う報告がなされています。

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発達障害 トレードオフを防ぐ試み

 発達障害は治るものではないが、理解して関わってくれるサポーター(支援者)がいると、適応状態がアップしていくと言うことをよく経験します。良きサポーターの存在は物凄く発達障害者には大切だと思います。しかし、手厚くケアやサポート(支援)していけばしていく程、当然の成り行きとしてとサポーターへの依存度が高まって、自立を妨げてしまう事がります。これは俗言うトレードオフと言う状態(あっちを立てればこっちが立たずと言う状態)です。

 サポーターが、発達障害者の人生にとても大きな影響を与える存在になってしまったら具合が悪いので、依存度を高めないようにどのようにサポーターが関わっていくかが重要になってきます。

 私の印象としては、サポーターの数が少ない場合に、サポーターと発達障害者との依存関係が強くなってしまう感じがします。サポーターの奪い合いも起こったりします。逆に、多い場合には、それらは少ない感じがします。

 そんなことを念頭にに入れて、トレードオフを防ぐ為に、多くのサポーター作りに力をいれる試みをしています。

【P.S.】
 なかなか効果的である感じがします。その人の事を理解して関わってくれるさえすれば、サポーターは必ずしも専門家である必要はないような気がします。当事者でもサポーターとなっている方が大勢いらっしゃいます。発達障害の知識に欠ける専門家よりもずっとずっと素晴しい関わりをされています。

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2007年12月20日 (木)

発達障害 知能と自閉症傾向・ADHD傾向

 自閉症・ADHDは知能の高低に関わらず幅広く存在する。しかし、残念な事に知能が低い場合は、MR(知的障害)として処理されてしまうことが非常に多い。勤務先の中堅の 精神科医に、自閉症傾向・ADHD傾向は知能の高低に関わらず幅広く存在する、って言ったら、驚いていた。そこまで、詳しく自閉症傾向・ADHD傾向を調べる必要がないと言う意図を感じざる得なかった。 その辺りまできちんと診て、臨床像を理解して欲しいのですが…

 さて、知能と自閉症・ADHDとの関連であるが、知能の高いケース程、家族因が関与している事が多いように感じる。家族面接をしていて、自分も自閉症傾向・ADHD傾向を持っていると言う人は知能の高いケースに非常多い。そして、それがきっかけで家族が治療に結び付いていくこともある。逆に、知能が低いケースでは神経学的な異常や他の遺伝性の疾患が関与している事が多いように感じる。

 あくまでも、臨床経験の中で気付いた事ですが。

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2007年12月19日 (水)

発達障害 人の気持ちの理解が出来ないと言う症例

 対人関係が非常に苦手なAさんは、学歴の話題は止めて欲しいと言っているBさんに対してくどくしつこく学歴の話をする。当然の事ながら、Bさんは怒る。関係は最悪だが、Aさんは、それが判らない。その為、繰り返す。

 Bさんは、くどくしつこいのでかなわない、と言う。周囲は、人の嫌がることは辞めよう、と介入する。Aさんは、相手が嫌がることをすれば怒るのは判る、しかし、誉めているのに何故怒る、怒るBさんの問題で自分の問題ではない、と言う。いつも平行線。

 相手の気持ちが判らないAさん。自分の価値判断の基準を相手に押し付ける。Bさんに学歴の話は駄目、とマニュアル的に理解をしてもらう。それでも、怒るBさんの問題で自分の問題ではない、と言う訴えは変らない。

 相変わらず、学歴の話をするAさんにBさんが切れた。怒りっぽい人だからBさんに近寄るのは辞める、とのこと。Aさんはこんな形で仲間を失っていく。

 人の嫌がることが判ると、対人関係が楽になるのに…(それが出来ないのでしんどいのだ)。

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2007年12月15日 (土)

発達障害 発達障害と統合失調症

 環境調整を行うと、統合失調症の患者さんよりも発達障害の患者さんの症状の方が格段に軽快に向う。一方で、環境が悪くなると、急激に調子を崩す。

 また、精神薬は統合失調症の患者さんよりも発達障害の患者さんの方が副作用が出易いので、細心の注意を払って処方して欲しいと願っている。如何見ても過剰投与による幻覚妄想の出現と言うものがある。そして、如何見ても過剰投与による夜間の失禁もある。

 こんな場面を常に目の当たりにしていると、薬より環境調整の効果をついつい期待してしまう。

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2007年12月14日 (金)

発達障害 本人を見ないで二次的な障害への具体的な支援は難しい

 発達障害の支援をしているメディアにも取り上げられた事があるらしい某NGO団体の所に、発達障害者の家族が有料相談に行った。関わり方が分からない、と言う事で行ったそうだ。そこで、3000ケース程支援したと言う相談員が、家族の話を聞き、ちょっと不安を煽る様なアドバイスをしたらしい(内容は、そう言う事が無い訳でないが、そうそうある訳でないケースの話)。雰囲気に呑まれた家族が不安に陥り、本人抜きのまま本人に関する重大な決定をして、実行してしまったようだ。

 効果覿面である。案の定、本人は調子を崩した。本人は通院先の病院に入院。

 調子を崩した理由が分からない家族は、本人抜きで再度有料相談に行った。例の相談員から発達障害の専門の医療機関に掛かって確定診断を受けないと治療は無理です、と言われて不安になった家族から相談を受けた。発達障害に詳しい人がいると言うお噂で相談に来たのだと言う。

 相談員の話がどんな風だったのかは分からない。家族の認知の歪みで話の一部に捉え違いが起こったのかもしれない。その辺りの真偽を明確にいても意味がないように思えた。私が扱ったものは、本人の障害ではなく家族の不安。本人抜きでは本人への具体的な支援は無理、と家族に伝え、本人の主治医と治療方針の共有をするように勧めた。

 家族の話によれば、主治医と治療方針の共有をし、連携するようになったら、主治医に対する不信感や不安は軽減したのだと言う。そして、家族が右往左往しなくなったことが大きく作用して本人も安定をしているそうである。めでたし、めでたし。

 専門と言う看板は安心して支援を受ける為に必要かもしれない。しかし、時には専門と言う看板により死角が出来大事なものを見落としてしまうことがある。発達障害専門と言う看板を出しているところにだってとんでもない専門家が潜んでいるし、発達障害専門と言う看板を出していなくても素晴しい専門家が隠れている。

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2007年12月13日 (木)

発達障害 必要のない入院

 発達障害を抱えている人は、適応上の問題が生じると症状が問題化してくる。この事は、多くの臨床家が指摘しているし、私も臨床場面で感じている事である。そんな訳で、私が心理療法を行っている患者さんには、その事を、自分のペースが崩れた時に調子を崩すと言った調子で伝えている。

 先日、心理療法はしていないけれど少しだけ関わりがある患者さんが入院した。入院の理由は、イライラしたから入院すれば解決するだろう、と言う安易なものだった。入院の判断をした発達障害に関わった事のない精神科医は、入院したいのならどうぞご自由に…、と言った具合に安易に許可をした。

 入院後、数時間でトラブルが発生(私にしてみたら予定通りのことだった)。看護師に病院のルールを守るように強く言われ、病院生活不適応状態に陥り、大声を出して暴れに暴れた(要はパニックに陥っただけなんですが…)。嫌だと言語化出来ぬまま態度で示してしまったので、さぁ大変。看護師が力で抑えようとして、火に油を注いでしまった。精神科医も数名集ってきた。更に、パニックは大きくなって、看護師が沢山駆け、押さえつけた。 こんな出来事が起こった所為で、この患者さんの衝動性を抑える為と言う事で精神薬が大量に追加され、保護室へ。そして、保護室に入れられた怒りから、またまた暴れた。そして、任意入院が医療保護入院へと切り替わる事になった。

 病院のルールがストレスとなって、適応上の問題が生じ、症状が問題化してしまった。病院のルールがストレスとなって、問題が生じてしまうケースは少なくない。結果論になってしまうが、今回のケースは、イライラしただけだったので入院させない方が良かったように思った(この患者さんがイライラしているのは毎度の事だったし…)。なんてったって社会生活でのイライラの方が病院生活のイライラより軽いし…

 必要のない入院で、予定通り問題を起こしてしまった。私には想定内であったが、病棟スタッフや精神科医には想定外のことであったようだ。このケースを通し、発達障害を抱えている人は、適応上の問題が生じると症状が問題化してくる事を学んで頂けたら幸いである。

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2007年12月10日 (月)

発達障害 良い形で現れたこってりした拘り

 発達障害の症状の一つに拘りと言うものがある。この拘りの強さが発達障害臭さを感じさせる一因であったりする。日頃、臨床場面で私は、適応に支障を来たすこってりした拘りの持主達と関わりを持っている。自他共に悩ます困った拘りなので、如何したら折り合いを付けられるのかを一緒に考えている。

 昆虫標本即売会と言うものに生まれて初めて誘われた。年末になると、毎年行われるものらしい。ここには昆虫へのただならぬ拘りを持った人が集ってくるようだ。商売人・客の多くがこってりした拘りを持っている。傍から見ていると、こってりした拘りから異様さが伝わってくるが、拘りは極めて適応的。若し仮に不適応でも起こしている人達だったら、診断するに十分な項目を持ち合わせている人が多く、直ぐにでも診断名が付けられそうだ。

 ある商売人の人は、どんなに価値が低くく売値が安い昆虫であろうと標本作りに手が抜けない、譲れない拘りがあって苦労しているんです、と話す。その言葉通り確かに良い仕事をしている。
 また、別の商売人は、商売そっちのけで昆虫の情報交換に夢中で、どこへやら。客が来ても知らん顔だし、売上金もほったらかし。商売よりも情報交換がお好きのようである。いつもこんな感じなので、知り合いたちが温かい目で見守っている(そっと世話を焼いている)のだそうだ。

 ここに来ている多くの人は、好きな世界で思いっきり拘って生きている人が多い。こう言う生き方は、拘りと実益を兼ねていると言う点で、発達障害を持つ人達の究極の人生の送り方の一つと言う感じ。でも、こういう人生を歩める発達障害を持つ人達って限られている。でも、1人でも多くの発達障害を持つ人達がこってり拘って生きていける何かを探していけると良いなぁ、と思う。

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2007年12月 7日 (金)

発達障害 気候の変化とイライラ

 ニュースや新聞を見ていて、地球温暖化、と言う言葉に出くわさない時はない。それ程、巷に氾濫している。地球は、どんどん温暖になっているようだ。寒い日もあるが平均値を見ている限り、確かに昔に比べれば暖かい。徐々に温暖化になっているんだろう。…とは言うものの、冬は温暖化に関係なく寒いですが…

 発達障害者の中には温度に敏感な人が少なからずいる。感覚過敏と言う特質である。そのため、暑さ、寒さが物凄く大きさストレスになる。この感覚過敏と言うのは、発達障害者ではない人にはなかなか理解出来ないようで、かなり苦痛であるようだ。私も多くの症例を通してなんとなく、シビアーなものだと理解している。

 12月に入り、発達障害者の中に調子を崩して来た人が増えてきた。寒さが本格的になって来たことをこんなところから感じる。イライラ等のサインが現れ、どんどんエスカレートする。そして、一寸したことで爆発する。予め、イライラしても他者に手は出さないで、と念を押すが、ブレーキが掛からぬ時がある。頭がカッ〜と来て気が付けば暴れた後なのだそうだ。他者を巻き込むので警察が絡む。そして、起こした問題の大きさに気付く。場合によっては、後悔しまくって、抑うつになってしまう人もいる。

 一方で、暑さが寒さと同じ様ににストレスになる場合もある。某県は(暑いのでそれがストレスとなって)夏に変な人が多い、と以前勤務していた医療機関の中では有名だった。当事は発達障害なんて言葉は有名でなかったので、代わりの言葉として変な人と言う表現を用いていた。確かに、暑さも大きなストレスになる。

 感覚過敏と言うのは厄介なものである。そんなものを背負いながらも多くの発達障害の人達は踏ん張っている。

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アスペルガー症候群と高機能自閉症青年期の社会性のために―よりよいソーシャルスキルが身につく
あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド
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2007年12月 5日 (水)

発達障害 先発医薬品と後発医薬品の違い

 後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは、新薬の特許期間が満了し、有効性と安全性が確かめられたのちに売り出される特許の内容を利用して製造した同じ主成分を含んだ医薬品のことである。欧米では普及しているが、日本でも健康保険財政の破綻や医療費削減の一環として、着目されている。特許の内容を利用して製造した同じ主成分を含んだ医薬品なので、先発医薬品とは混ぜ物が微妙に違ったりする。従って、先発医薬品とは効き目が違う場合がある。

 発達障害の治療に用いられる薬にも当然の事ながら後発医薬品がある。その為、先発医薬品とは効き目が違うと言う話を聞く。先発医薬品が効く人、特定の医薬品製造メーカーの後発医薬品が効く人、先発医薬品も後発医薬品も効く人と様々である。後発医薬品に変えたら調子が変ったと言う人も案外いる。脳の機能の障害は十人十色なので、こんなことが生じてもおかしくはない。

 発達障害の場合、こうした薬の成分の微妙な変化に敏感な人が多いと言う印象がある。だから、合う薬と合わない薬を念入りにチェックしておくといいかも知れない。

【ADHD・ADD関連の超お薦め本】━━━━━━━━━━━━━━━━┓
成人期のADHD―病理と治療
「わかっているのにできない」脳〈1〉エイメン博士が教えてくれるADDの脳の仕組み
「わかっているのにできない」脳〈2〉エイメン博士が教えてくれるタイプ別ADD対処法
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2007年12月 4日 (火)

発達障害 わかっているのにできない脳

 『わかっているのにできない脳』エイメン先生が教えてくれるADDの脳の仕組み(花風社)
 『わかっているのにできない脳』エイメン先生が教えてくれるタイプ別ADDの対処法(花風社)

 この2冊は、アメリカで発達障害の画像診断をしているダニエル・エイメン博士が記したものである。2001年にニキリンコさんにより日本語訳がなされ、発売されたADD(注意欠陥障害)について詳しい説明がなされている本。好評により版が重ねられてきている。脳SPECT画像を基にADDを6つのタイプに分類し、傾向と対策について纏めてある。

 ADDは、以下の6つのタイプに分類される。誤った理解に繋がるといけないので、名前だけ紹介してみたい。以下の通りである。

 典型的ADD
 不注意型ADD
 過集中型ADD
 側頭葉型ADD
 辺縁系型ADD
 火の輪型ADD

 脳の機能障害のある部位と症状が繋がるので、ADDの症状の理解に非常に役に立つ。また、対処法も示してあるので、適切な治療に結びつく事が多い。

 実際、難解な症例が実はADDだったなんてことを、私は何度も臨床の現場で経験目撃している。ADDの事を知らないばかりに、似て非なる別の診断名をつけ、見当違いの治療で症状をより複雑にしていただけだったなんてことが多々あった。

 ADDは、MBD(微細脳障害)として古くから知られているが、今一つ精神科医にも馴染みが薄い。その為、医療の裏側で話される話の中で、名は知っていても実態を知らない、なんてことも多く聞く。最近、名前を聞く機会が増えてきたADDであるが、実は症状については余り知られていない。そんなADDを知るには最適な入門書ではないだろうか。

 私的には、臨床現場で感じていた事と同じ事が、脳の機能と言う視点で説明されていたので、嬉しかった。『成人期のADHD―病理と治療』も良かったが、こちらも負けず劣らず素晴しい。

【ADHD・ADD関連の超お薦め本】━━━━━━━━━━━━━━━━┓
成人期のADHD―病理と治療
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2007年11月20日 (火)

発達障害 嬉しいフィードバックを頂く

 発達障害者への対応が分からないと言うことで関係者一同が集まって、ケースカンファレンスが開かれ、そこで関わり方をレクチャーする機会が増えている。各領域の専門家ばかりであるが、発達障害については知識に乏しく素人レベルである場合も少なくない。

 ケースカンファレンスは1時間程度なので、レクチャーばかりに時間を割いていられないので、手短にやる。従って、基本の基本のみとなる。その際、上手くではなく楽に関われるようにするための関わり方、と言った調子で関わり方を話す。経験的に楽になると言った方が、不勉強な専門家の頭の中には吸収され易い事を知っているからこんな表現を使う。一つの心理学的な工夫である。

 先日、ケースカンファレンスを通して知り合った人からフィードバックを頂いた。私にしてみたら当然ぢゃん、と言うレベルの事だったが、その人にしてみたら目から鱗って感じだったようだった。

 優しく関わると言うやり方を忘れていました。ついつい強い口調で発達障害者に関わってしまうので、発達障害者が不適切な言動が増えていました。そして、更に強い調子で関わると…。イタチゴッコになっていました。最終的に発達障害者の悪い所ばかりが見えて、悪い印象ばかりが残る。そして、他の専門家にそれが伝わっていく。いざ、優しく関わると、直ぐに明らかに発達障害者の言動が変りました。こうも変るものかと思いました。関わりが楽になって、良い所がどんどん見えてきました。

 嬉しいフィードバックでした。専門的な知識は勿論必要ですが、その前に相手を大切にすると言う当然のスタンスが必要です。

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成人期のADHD―病理と治療
「わかっているのにできない」脳〈1〉エイメン博士が教えてくれるADDの脳の仕組み
「わかっているのにできない」脳〈2〉エイメン博士が教えてくれるタイプ別ADD対処法
ADHDの臨床 ―21世紀からのアプロ−チ 現代のエスプリ (No.414)
自閉っ子、こういう風にできてます!
発達障害の心理臨床―子どもと家族を支える療育支援と心理臨床的援助
友達ができにくい子どもたち―社会性の発達と援助法
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2007年10月22日 (月)

発達障害 私の関わり方・考え方

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 発達障害者は、出来る限りの事をしている。発達障害者が十分に努力をしていないと責めてはいけない。

 発達障害者は、改善しようと望んでいる。行動レベルでの失敗は、動機の欠如に起因するものではない。

 しかし、発達障害者はよりよく行動し、動機付けられるよう治療者からの援助を必要とする。

 発達障害者は、問題に全てを自らで引き起こした訳ではないが、その全てを解決しなくてはならない。

 発達障害者は、自分が現在生きていることに耐えられない。そのため、人生そのものを変えなくてはならない、と考えている。

 発達障害者は、適切な流れの中で新しい言動を学習していく必要がある。

 発達障害者は、治療に失敗することが出来ない。発達障害者に改善が見られなかったり、ドロップアウトが生じた時は、その失敗は発達障害者ではなく、治療自体に帰属される。

 発達障害者を治療・援助する側にも援助が必要である。

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 関わる側の一方的な思い上がりかもしれません。しかし、今までの臨床経験の中で、こう言うスタンスが必要だと思います。

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2007年10月 9日 (火)

発達障害 この程度で処遇困難なケースなのか???

 とにかく他者を巻き込んでの問題を起こさない日がない、最近は嘘もつき関わりが更に難しくなった、警察にもマークされているようになった、と言う。精鋭のヘルパーさんが複数関わっているが、まぁ大変の毎日とのことらしい。

 こんなヘルパーさんの話をいつも耳にしている精神科医は、いつからかヘルパーさんのペースに巻き込まれている。

 こんな患者さんに今日から関わる事になった。噂に兵である、と聞いていたので、如何しようかと迷ったが、お会いして、なぁんだこんな程度か、と思った。経験積みのケースだったので、見通しが持てた。

 問題点は、関わる側の問題が大きいように思えた。社会問題化するのを怖れる余り、拘りを否定し、行動を抑制しようとしたことが、更なる問題を誘発した感じ。また、関わる側の不安が患者さんに投影されているようにも見えた。

 関わる側の共通認識の確立。これに尽きる。先ずは、患者さんを理解し見通しを持つ事。持てなければ、実際の場面で見通しが持てる人から具体的に教えてもらう事。『見通しが持てること=ゆとりが持てること』である。若し、ゆとりを持って関われないと、関わる側が行動化してしまう可能性が高くなる。逆に見通しが持てるようになると、ゆとりが持てて、支える力が増す。

 早速、ケア会議を開こうと、関係者に働き掛けた。ヘルパーさんは、こんな風に皆で関わっていくのか、と言うことを知り、乗り気だ。この間、最前線で患者さんを支えしんどかったようだ。

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ADHDの臨床 ―21世紀からのアプロ−チ 現代のエスプリ (No.414)
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2007年10月 8日 (月)

発達障害 向精神薬の副作用

 精神病圏の人に比べ、発達障害圏の人は、向精神薬の副作用が現れ易い。

 前々から薄々気付いていたけれど、発達障害に理解を示す精神科医も同じ様なことを感じていた事を雑談の中で知った。その精神科医は、配慮して処方していると言っていた。さすが、発達障害に理解を示しているだけある。

 また、医者の誤診と言う事になるのだろうが、発達障害の症状を統合失調症と勘違いし、極量に迫る勢いで薬が増やされることが多々ある。

 この事については、よく似ているからなぁ…(仕方がない)、とこの精神科医は同業者を弁護していた。でも、いつまでたっても同じ症状を訴え改善しないと言うことでおかしいと思わないのだろうか、とも。鋭い指摘だった。

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