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知能指数が上がると共感性が下がる

2006年9月20日 (水)

日本心理臨床学会第25回大会 ダルマさんが転んだ

 或る講師のワークショップは、会場に入るなり講師がいきなり受付嬢に、あんた誰???、って具合で不審人物扱いをされると言うハプニングで幕開けした。

 話が下手です、と講師はいきなりカムアウト。でも、聞く方としては、ご冗談を…、って感じで思っていたら、それが冗談ではなく本当だった。まさか本当だったとは…、と受講者が気付くには時間はそんなに掛からなかった。言っていることが理解し難いのでもう少し説明をして欲しい、と言う意見が飛び交った。なかなか理解が出来ないものです、と言いながら講師は、お茶を濁そうとする。しかし、受講者は容赦なく問い詰める。そうこうしている内に、しどろもどろになり、顔は引きつっていった。こんな状況を予測していました、と言うがうろたえ様からは、予想外の展開と言った感じ。とりあえず、昼休みが講師を救ってくれた。

 午後からも補足が加えられたが、どうも皆の知らない本の話を例に出して説明するもんだから、理解を深めると言うよりは話の謎を深める感じだった。しかし、説明に必死で状況に関心は向かなかったようだ。一方的に話し、休憩に突入。

 休憩の後、事例検討に入った。事例提供者が概要を説明している間、受講者はレジメに目をやっていたので、講師は気を抜き、ガムを噛んだり、腕を回したり。おいおい、その変わり身の早さは一体なんやねん、って感じ。じっと様子を窺っていたら、目と目が合った。気まずさからお互いに視線を逸らした。その後も互いの様子を窺いあった。こっそり覗いて、視線が合いそうになったら逸らす。馬鹿みたいだけれど、互いに気になった。その光景は、ダルマさんが転んだをしている感じ。そんなことを連想したら、なんだか笑えて来た。

 症例の概要の説明が終わると、こんな遣り取りは終わったが、二人の間には気まずさだけが漂った。そして、再び講師に、理解出来ないと言う受講者の反応が襲いかかり、また奈落の底へと落ちていった。御気の毒に。



【この分野に興味のある方へ】
臨床心理士になるために
心理援助の専門職になるために―臨床心理士・カウンセラー・PSWを目指す人の基本テキスト
臨床心理士に出会うには
「臨床心理士」をめざすあなたへ―高校生からの臨床心理学

2006年9月 9日 (土)

違和感が漂う二人

 先月、研修医や臨床心理士等の高齢者医療に関わっている専門家10人程度を相手に神経心理学検査の話をしました。時々、神経心理学検査以外にも精神医学領域の話をするので、最近では人前で話をするのは慣れて、やっと参加者の表情を確認しながら話が出来るようになって来ました。

 さて、話をした際、参加者の中に気になる存在が二人いました。気になるといっても可愛らしいとか、セクシーとかではありません。反応が一寸変、と言う事で気になったのです。

 一人は、男性研修医。詰まらなさそうに鉛筆を回したり、あくびをしたり、落書きをしたり。面白くないんだろうなぁ、と思いながら、それでも話を聞く姿勢は形だけでも見せてほしいなぁ、なんて思っていました。しかし、話が終わると、話の細部の確認や的確な質問をするではありませんか。これにはとっても驚きました。

 もう一人は、年齢50歳位の臨床心理士の女性。知ったかぶりをして、話の途中に口を挟み、意見や質問、時には解説をしてくれるのは良いですが、悉く的外れ。周囲からは失笑。そんなに喋りたかったら、講師を名乗り出れば良かったのに…、なんて思ってしまいました。私は講師のなり手が居ないので…、と言う事で頼まれ嫌々引き受けたのに。そして、最後に感想を求めると、(神経心理学検査の解釈が)医学分野の話だったので私には関係がなかった、と言う。おいおい。

 ご教訓。場に相応しい言動って必要だぞ!!!

【関連blog】
 かなひろいテストの解釈
 時計描画テスト(CDT:Clock Drawing Test)
 認知症のスクリーニング・テスト RDST(the Rapid Dementia Screening Test)
 カウンティング・テスト

2006年6月29日 (木)

怨みま〜す 怨念を抱き続けた医者

 労働組合って、病院経営者に嫌われる存在。特に、共産党系の医労連と言うのは嫌がられます。労働組合が出来ると、従業員からあれこれと要求が出てきて、改善していくのに大変なのだそうです。特に、大阪の南の方の病院は、基本給が信じられない程安くなっていて、その辺りを改善しろ、なんて言われたら、経営を圧迫することになり一溜まりもありません。

 そんな経営者に恐れられている労働組合を作ろうと言う話が或る医療機関で持ち上がりました。事の発端は、医師以外の給与が安いことに問題を感じた雇われ院長と大学時代からの親友である二人のお医者さんが職員に労働組合を作るように入れ知恵をしたのです。

 とんとん拍子で、労働組合を作る話が進んでいきましたが、病院経営者に話が漏れてしまいました。そして、雇われ院長は責任を追及され、退職せざる得なくなりました。勿論、親友が絡んでいたことも知っていたので、非常に悔しかったそうです。でも、何も知らない振りをしていました。

 その後、元雇われ院長は、余所の病院でまた雇われ院長になりました。ここから、二人のお医者さんたちへの仕返しが始まりました。病院経営者の耳に入るように、中心になって労働組合作りに動いた職員の名前を匿名で告発し始めたのでした。病院経営者は怒り心頭で、関わった職員の首切りを画策し始めました。

 そのことを察知した一人のお医者さんが、自分が入れ知恵をしただけだ、と言い、責任をとって退職しました。労働組合作りを推す医者と言う噂が広がって、結局、勤務先が見つからず、開業されました。

 更に今度は、もう一人のお医者さんも入れ知恵をしていたことを元雇われ院長は病院経営者に直接明かしました。そして、病院経営者にに責任を追及され退職に追い込まれていきました。その過程で、元雇われ院長の所に相談をしていたのですが、その内容は全て病院経営者に筒抜けで、再就職の邪魔をされていました。相談を受ける振りをして足を引っ張っていた元雇われ院長の怨念は凄かったのだそうです。結局、遠方の病院しか勤務先が見つからず、買ったばかりの家を手放して去っていきました。

 後に、元雇われ院長の仕返し話を妻がうっかり喋ってしまったことが切っ掛けで、知れ渡ることになりました。恐らく、バレたことに気付いていないのは、元雇われ院長だけ。二人のお医者さんにお世話になった職員が、かたきをとってやろうと、粗探しをしていたのはもう15年以上前の話になります。未だ、ニュースを騒がせていないと言うことは、粗が見つからなかったと言う事なのでしょうか。

 それにしても、やり方が陰湿でした。

2006年5月10日 (水)

共感性と知能

 某心理学系大学・大学院の教授がぼやいていた。

 昔のうちの学校の卒業生は、頭は悪かったけど優しい臨床家が多いって評判だった。でも、最近は心理学人気で頭の良い学生が増えたけど、それ以外何も評判にならない。喜んで良いのか、悪いのか。でも、明らかに後退しているなぁ。学生の頭が良くなるのも善し悪しだ。頭が悪いのは、勉強すればなんとかなりそうだけど、性格が悪いのはどうにもならないからなぁ。

 なるほど、なるほど。昨今、知能が高くなると共感性が低下する、と指摘されていますが、その通りですね。



【この分野に興味のある方へ】
臨床心理士になるために
心理援助の専門職になるために―臨床心理士・カウンセラー・PSWを目指す人の基本テキスト
臨床心理士に出会うには
「臨床心理士」をめざすあなたへ―高校生からの臨床心理学

2006年4月28日 (金)

デイケアの悪夢 ふたたび

 時々、発達障害の患者さんを治そうとするのではなく癒すことを先ず考えよう、と経験だけの叩上げの医療スタッフにやんわり言います。しかし、彼等は、治るものではないので治そうなんてと思っていない、と言いながら、強引に行動を改めさせようとするんですね。反治療的行為ですが、彼等にはそれが分からないので話になりません。脱力感を感じます。そんなスタッフの顔色を窺う患者さんを見て気の毒に思います。当然の事ながら、彼等は行動が変わったと大満足。発達障害に限らず、行動の変容を強いると安心感が崩壊していくのに…

 先日、トレーニングを積んでいる一人のスタッフがこの問題を提起して、彼等の行動変容を強いようとしたところ、返り討ちに遭ってしまいました。戦意喪失。叩上げの彼等に理論は通用しません。問題が起こってから切り崩していかないとダメだとあれほど言っていたのですが、患者さんが可哀想だからと言い、行動に移したのです。待てなかったのです。以後、彼等は、俄然パワーアップしてしまいました。

 彼女の気持ちは痛いほど理解出来ますが、また、機が熟すまでじっくり待たなくてはいけません。



【発達障害理解に役立つ本】
軽度発達障害児のためのSST事例集
発達障害の心理臨床―子どもと家族を支える療育支援と心理臨床的援助
友達ができにくい子どもたち―社会性の発達と援助法
発達障害児者の問題行動―その理解と対応マニュアル
アスペルガー症候群と学習障害―ここまでわかった子どもの心と脳
のび太・ジャイアン症候群4 ADHDとアスペルガー症候群―この誤解多き子どもたちをどう救うか
アスペルガー症候群と高機能自閉症青年期の社会性のために―よりよいソーシャルスキルが身につく
あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド



【関連blog】
 発達障害 情報の整理はなぜ必要か
 発達障害 急げ、発達障害の専門家の育成(期間限定
 発達障害 成人期以降に診断
 発達障害 続・デイケアの悪夢
 発達障害が脚光を浴びる前の時代
 発達障害 親の関わり方
 発達障害 デイケアの悪夢
 発達障害 心の理論課題
 療育手帳 発達障害の場合
 発達障害児との関わり した方が良い事としない方が良い事
 高機能広汎性発達障害のスクリーニング・テスト
 重ね着症候群
 心因による発達障害
 自閉症を含む発達障害の理解を進める
 子どもの障害を考えていく上で… Welcome to Holland
 自閉症の理解

2006年4月10日 (月)

勉強会 脱線、脱線、講義、また脱線!!!

あの政治家が???
あの世界的なミュージシャンが???
あの人気タレントが???

先生、過去に診察をした著名人のことを、
2ちゃんねるの書き込みみたいに、
暴露をしちゃって良いの???

イニシャルトークではなく実名で、
興味深々で聴きましたが、
聴かなかったことにします。
 
著名人の方々が超有名な精神科医に、
診察してもらうのも良いけれど、
こんな風に話のネタにされてしまうとは、
ゆめゆめ考えていなかっただろうなぁ!!!



【役に立つ本】
追補 精神科診断面接のコツ
対話の技―資質により添う心理援助
カウンセリングを語る〈上〉
カウンセリングを語る〈下〉
自信をもてないあなたへ―自分でできる認知行動療法
論理療法による三分間セラピー―考え方しだいで、悩みが消える

2006年3月21日 (火)

患者の真実が闇に葬られそうに…

 以前、入職したての新人スタッフが入ってきた時の事。集団精神療法が始まっているのにも関わらず、このスタッフは漫画を読んでいた。気になった患者の一人がおどけた感じで聞こえるようにそれを注意したら、もう始まっているのにテンションが高いですよ、と逆に注意されてしまった。そして、注意した患者さんとこのスタッフの間で言い合いになったことがあった。

 集団精神療法が終わり、他のスタッフも交え、スタッフミーティングの場でこの件を扱った。新人スタッフは、軽躁状態で調子が悪いので悪乗りした、と弁解した。その場にいなかったスタッフから、このところテンションがずっと高かったもんね、とコメントが入った。そんなにテンションが高いと運営に支障を来たす、なんて声も聞かれた。

 そんな中、サブリーダーを務めていたスタッフから、「新人だから育てる気持ちで流していたけれど、以前からこの新人スタッフの集団精神療法への参加の仕方には問題を感じていた。いつも漫画を読んでいるし、おしゃべりが多いし…、テンションが高いから問題が起こって訳ではない。患者の問題ではなくスタッフの問題だと思う」と意見が出た。

 当然の事ながら、患者の問題から、スタッフの問題へと変わって言った。イギリスの精神科医のR.D.レインは、精神病院の中では、患者の真実は闇に葬られる、と言ったが、弱者の真実は闇に葬られずに済んだ。

 しかし、実際のところ、精神病院の中では、患者の真実は闇に葬られることは多い。事実を闇に葬るのは、医療従事者だったり、患者家族だったりする。



【R.D.レイン関連】
結ぼれ
好き好き大好き―対話と詩のあそび
レインわが半生―精神医学への道
狂気と家族
経験の政治学