片づけが苦手(方向音痴)だから自分もプチ発達障害、と発達障害の方に語る医療従事者が少なからずいる。中には本当に発達障害の医療従事者はもいるだろうが、多くは発達障害の方と親近感や信頼感を増そうと思ってこんな事を言う医療従事者も多のではないだろうか。医療だけでなく、福祉や教育の場でもこうした光景は多いのではないだろうか。先日もそんな事を講演会で言っていた大學の講師がいた。
最近、入院中の複数の発達障害の方が、こうした医療従事者による『似非発達障害宣言』が苦痛であると語る。片づけが苦手(方向音痴)だけで発達障害って軽々しく口にして欲しくない、発達障害はそんなものではない。定型発達の人が普通に出来る事でも工夫や努力が要る。今まで症状の辛さを聞こうとしたこともない等々。訴えは尽きない。
発達障害宣言をするなら症状から日頃の苦労や努力が見えるようになってからにして欲しい、と思う私。
続きを読む "カウンセリング・精神療法 専門家による似非発達障害宣言に苦言を呈す患者さん" »
通帳の記帳はこまめに行う。残高の把握はしっかりしておく事。残高が足りなくて自動引き落としがされないと言う事がよくある。簡単な事のように見えるが、継続して行うのは発達障害者(ADHDやADD)が苦手とするところだ。家族がいる場合、しつこく促したり、代わりにする事でトラブルに発展する可能性を下げる事が出来る。しかし、単身者の場合、そうはいかない。自動引き落としがされなかった事に気付かないと、電気やガスを止められたり、携帯電話を止められたりしてしまう。また、引き落としがされているものと思い込んで生活費を全て遣い切ってしまうと、翌月に以降に支払いをしなくてはいけなくなり、生活費が減ることになる。こうしたことが続くと、生活保護受給者等の収入が少ない人の場合、生活破綻のきっかけとなる。従って、単身者の場合、残高の把握を促すサポーターが必要になってくるのである。
続きを読む "成人発達障害者支援のヒント 自動引き落としに注意せよ" »
或る特別養護老人ホームに顔を出す。ここでボランティアとして活躍している中の数人は私が関わっている発達障害の人達である。二人のボランティア・コーディネーターのスタッフが上手にフォローして下さるので、密かに発達障害の人達の支援の場として利用させて貰っている。密かにと記したのは、有名になってしまうと人が殺到してしまうからである。紹介した発達要害の人達は、ボランティアをしながら、社会勉強をしたり、肯定的なフィードバックを受けたり、他者の支援をしたりしている。最近では、ボランティアとして先輩の発達障害の人が後輩を支援してくれるので、とても感謝している。今までは、そう言う支援がなかったので、ボランティアが続かない人も多かった。しかし、この支援のお陰で継続する人が増えた。こうした支援でボランティアを始めた人達が、また後輩の支援をして行く。こう言うものが次の人に受け継がれていくと言うのは、何だか嬉しい。
紹介したまま放っておく事は出来ないので、時々顔を出しに行く。皆、活き活きとボランティアしている。随分逞しくなっている。昔に比べ、一皮も二皮も剥けた感じ。入所老人への対応も専門家と称する職業の人達より上手。見習う所が多かったりする。
続きを読む "発達障害 ナチュラル・サポーターによるボランティア支援" »
発達障害の人の中には、突出した能力のお陰で成功をおさめている人達がいる。同じ障害なのだから、自分にもそんな能力がないか、と探す人がいる。しかし、それは限られた人達に限定された事で、多くの人達は大きく落ち込んだ能力により、能力を充分に発揮出来ない人の方が圧倒的に多い。また、能力を充分に発揮出来ない人の中には、周囲が信じられない程、能力を発揮出来ない人がいる。更に、そんな中に信じられない程深刻な能力を発揮出来ない人達がいる。彼らは理解力に問題があったり、手順通りに作業を進めなかったりして失敗を繰り返す。そして、失敗の度に、運がついていないだけよ、なんて慰められる事が幼少期から続く。すると、自分は運がついていないから上手く行かない、と学習していく。
続きを読む "発達障害 慰めから運・不運を学習してしまう" »
小難しいセッションややたら厳しい事を要求するセッションは、発達障害の患者さんにとっては反治療的になるかもしれない。そうしたセッションからドロップアウトしてしまう患者さん達は、話を理解出来ない事や要求を満たせなかった事で、やっぱり私はダメ、と考えがち。それでも、精神科医や臨床心理士が有効と考えるから…、とセッションを好意的に受け取り、更なるストレスを溜め込む。
正直に言ってくれないとわからないので、伝えられそうなら伝えて欲しいのですが、なかなか伝えられないのが現実。中には、心の専門家なので、何も言わなくても分かってくれると思っている人もいる。そんな事は有り得ません。念のため。
続きを読む "カウンセリング・精神療法 小難しいセッション" »
LDの場合、視覚の弁別に差はない。しかし、聴覚弁別能力が劣る。その分、刺激の持続時間を長く、刺激間隔を短くする必要がある。
続きを読む "発達障害 学習障害 刺激提示について" »
発達障害の方から、歯科受診に付き添って欲しい、と頼まれた。歯が痛いので行った方が良いのでは、と判断したと言う。こんな風に判断した背景には、ナチュラルサポーターを務めてくれていた発達障害者二人が歯科通院していた事が大きく影響している。二人が歯科治療を受けているのを見て重要性を学んだのだ。
この方には前回も付き添ったが、その時は歯槽膿漏が痛々しくて、見るに見かねてこちらからしか受診を提案した。何も困っていない、と訴えながら、渋々受診してくれた。歯科では、病名と症状を告げ、歯槽膿漏の治療と虫歯治療をお願いしたのだが、歯石を取っただけで治療終了となった。本人曰く、色々言われ、答えられなくて固まっていたら終わってしまったと言う。
続きを読む "発達障害 歯科医からアドバイスをもらう" »
3年もの年月を経て、広汎性発達障害と言う確定診断にたどり着いた成人期のケースがある。診断が難しかった訳ではない。寧ろ、診断しやすいケースだった。ただ主治医が易々と発達障害と診断する事に躊躇いがあっただけの事だった。
主治医退職に伴う引き継ぎ期間に治療療の仕切り直しをして行く事となった。そして、広汎性発達障害を考えている、と新主治医より伝えた。
続きを読む "発達障害 診断確定しただけでは何も変らない" »
同級生から、ねぇーちゃんと最近お風呂に入ってる、と聞かれ、ほとんど入ってないのがばれた、と勘違いしたAさん。入っていないので仕方がないと諦めて、入ってない、と正直に申し出た。そうしたら、中学生の分際で入っている訳がないよな、と返って来た。その時咄嗟に、中学生にもなると風呂に入らないのが普通なんだ、と理解したらしい。
友人は、ジョークのつもりで、姉ちゃんと風呂に入っているか、と聞いたらしい。しかし、Aさんはちゃんと入浴しているか、と勘違い。
人気のないお笑い芸人のモチネタのような話だが、20年以上信じていた。そして、医療に掛かり出してから、入浴指導を受け、毎日入浴する事の大切さを知った。
患者さんの行為には、それなりの理由があるものだ。そんな風に感じる事が実に多い。
続きを読む "発達障害 勘違いは続くよ、いつまでも" »
脳の機能不全の結果生じる現象を個性と捉えるのか???、症状と捉えるのか???。即ち、発達障害によって生じる特性は、個性なのか???症状なのか???。立場にもよるが色々な考え方がある。どちらが正しいとか、間違っているとかはない。個性、症状をどのように解釈・分類するかだけのようにも感じる。
症状は聞こえが悪いから嫌、と言うだけで個性と呼んでいる人もいるかもしれない。言い方を変えただけに過ぎないが、こんな感じの人も少なくないのではないだろうか。ただ主観的な要素が強いけど。
また、病院に掛かっているんだから症状だ、なんて言う人もいるかも知れない。でも、病院に掛かっているだけで全て症状とされてしまうのも堪らない。
逆に、何もかも個性ですで済まされるものでもない。
個性と症状。何か目安があっても良いかも知れない。
続きを読む "発達障害 個性???、それとも症状???" »
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【チャレンジ日記とは】
認め合う関係を作る交換記録ツールです。
発達障害の人は、一日一倍に努力や頑張っているのに、発達特性により周りから怒られたり、貶されたりすることが少なくありません。こんな事が早々続くと、気持ちが萎えていってしまいます。先の見通しが持てずに、取り組む前から無力感に満たされてしまう事もあります。一方、周囲は周囲で発達障害の人に対して、感情的に反応してしまって否定的な見方ばかりになりがちです。
発達障害の人の努力や頑張りを周囲の人に目に見える形で伝え、周りの人はそれを認める機会を作るのが、チャレンジ日記です。
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続きを読む "発達障害 チャレンジ日記の悪夢" »
発達障害が知られるようになり、啓蒙本を読む当事者や家族が飛躍的増えた。沢山詠んでいる内に知識を蓄え、詳しくなって行く人達がいる。しかし、内容を誤って理解する人達が少なからずおり、トラブルに発展する機会が増えているのも事実である。
特に目立つのが、発達障害者には周囲の理解と配慮が必要、と書いてあるのを文字面通り理解し、サポーターに対して配慮を過度に要求するケース。彼等は、サポーターが出来る限りの配慮をしているにも関わらず、それが分からないかの如く、周囲の理解と配慮が大切だ、と主張し要求する。残念ながら、サポーターの関わりには、限界がある。一人だけに関わっている訳ではない。どこまで理解と配慮を求めて良いのかは啓蒙本には書いてない。
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読解力の背景には状況を理解する力が必要となってくる。意味理解、表出には、文章を読み取る力として、経験に基づく豊かな感性が必要になってくる。感性は理論的思考でなく、右脳の発達に基づく。
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非言語性学習は聴覚、視覚のみでなく、触覚、味覚、嗅覚の感覚器からインブットされる刺激の影響が大きい。従って感覚器の障害は非言語性経験を歪めてしまう。
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最近は、論文を中心に目を通してばかりで、本屋に足を運ぶ事は少なかった。今日、数年ぶりに大きな本屋に行って吃驚。こんなに沢山の本が出ているんだね。これではどの本が良いのか判断するのが難しそう。発達障害の本を探している人達は混乱してしまうよ。
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もしかしてボーダー???
発達障害バブルの昨今、とても懐かしい響きである。言わなくなったよな。最後に聞いたのは、さて何年前の事だろう。確か、医療機関でB.P.D.(Borderline Personality Disorder)が話題になっていたボーダーバブルの頃。私の中ではとっくに死語の範疇。
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数ヶ月前から補助金を受けて運営している作業所の利用者から、雰囲気が変り居心地の悪さやしんどさの訴えが増えてきた。理由は、利用している作業所のプログラムが就労移行へと変った、就労移行プログラムには不適(余所を紹介する)、と言うものであった。
最初に利用者からの訴えがあった時は、あそこの作業所はお高く留まったもんだなぁ、と感じた。しかし、その後まもなくして関係者から、『利用者の居場を提供するだけの事業はこれ以上いらない。就労移行に向けた事業を展開して頂きたい』と行政から連絡が入っている、と聞いた。
続きを読む "行政の誘導と作業所の方針の転換 就労移行プログラムにのれない利用者" »
話す事の問題と言うのは、
コミュニケーションが上手くいかない。
言葉の理解の仕方の問題。
言葉の用い方の問題。
一方的に喋る。
相手の話が聞けない。
相手の表情や意向が読み取れない。
話の背景にある意図や感情が汲み取れない。
背景に社会性の問題。
発音の問題。
発音が不明瞭→聞き難い→意思の疎通が上手くいかない。
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聞く力の問題には以下の原因があると考えられる。
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聴力の問題。
理解力の問題。
言われている事が理解出来ない。
注意力の問題。
集中出来ずに最後まで聞けない。
記憶力の問題。
忘れてしまう。
上記4つの重複。◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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医療系の某協会が、会員向けに治療技法のマニュアルを発刊するそうだ。そこに所属する知り合いが、発達障害の項目を任されてしまった、と言うことで相談にやってきた。勉強会で発達障害ケースの発表をしたのがお偉いさんの目に留まったのだそうだ。後にも先にも本腰を入れて関わったのは発表したケースだけなので…、と言う事で断わったけれど、発達障害は外せない、良い人材がいない、とのことで押し切られてしまったそうだ。
いつになっても、患者さん、患者さん家族、専門家は、発達障害、と名が付くと物凄い勢いで飛びつくのでしょうね。某協会は、治療技法が発達障害にも有効だとアピールしたかったのでしょうね。まぁ、よくある話なんですが…
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素人向け、専門化向けを問わず、成人期の広汎性発達障害のガイドブックにも、三つ組みの障害についての説明が載っている。そして、成人期の広汎性発達障害者なら三つ組みの障害があるようなことが書いてある。そんな訳で、診断をする際に三つ組みの障害の有無を重要視する精神科医や臨床心理士は多い。
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三つ組みの障害
社会性の質の偏り(社会性の障害)
コミュニケーションの質の偏り(コミュニケーションの障害)
社会的イマジネーションの質の偏り(想像力の障害)
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しかしながら、実際のところ、成人期の広汎性発達障害だろうと推測しても、三つ組みの障害がないと言う理由で、『広汎性発達障害』と言う診断を回避してしまうケースは少なくない。そして、統合失調症、双極性障害、解離性障害等々の診断がなされてしまう事が多く、治療をより難解なものに導いてしまう。
続きを読む "成人期の発達障害 診断を悩す三つ組みの障害" »
先日、或る発達障害の方との心理セッションの中で、『脳の覚醒が低いと反応の質が低くなるのは理解出来る。しかし、脳の覚醒が高いのに反応の質が低くなってしまうと言うのは理解出来ない』と言われた。この手の疑問は、この人に限った事ではない。
続きを読む "発達障害 脳の覚醒水準と適応反応との関係" »
発達障害の患者さんやその家族を相手に話をすると、話の内容を捉え違いされてしまう事が時々ある。後になって、言った、言わない、と言う展開になる。これは私に限った事ではなく、それなりに臨床をしている専門家であれば経験している事だと思う。
続きを読む "カウンセリング・精神療法 言った、言わない" »
セッションでの小一時間ばかりの間に話したいこと全てを話すのは無理な話だ。時間的な制約もさることながら、都合良く話が出て来る訳ではない。また、忘れてしまう事もあるし、話の途中に本題から外れてしまう事もある。そんな訳で、話し損ねた話は次回に、と伝える事にしている。
続きを読む "カウンセリング・精神療法 話し損ねた話は次回に" »
患者さんや家族からお世話になった御礼と言うことで断り切れずに受けとる羽目になったお菓子を黒いお菓子と呼んでいます(あくまでも職場での隠語です)。黒には、後ろめたい、と言う意味を含ませています。
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言語面での衝動性が高いケースでは、刺激に過剰に反応し、その場の雰囲気でありもしない事を口走ってしまう事が多々ある。周囲の人は、その話は一寸変、と感じる。そして、突っ込みを入れると、ありもしない事にしがみ付き、どんどん話を繕おうとする。しかし、どんどん自分で自分の首を絞める結果となる。そんな四苦八苦している姿を眺めていると痛々しい。
続きを読む "発達障害 言語面での衝動性と嘘" »
一寸前の時代になるが、『心の理論』は、イギリスで受けに受けまくった(因みに、アメリカでは相手にされなかった)その影響を受け、日本でも自閉症スペクトラムと『心の理論』との関係が持て囃された。自閉症スペクトラムの基本症状を、人の気持ちが判らない事(相手の欲求、意図や信念等の心理的な状態を把握する認知能力に特異的な弱さがある事)、とサイモン・バロン・コーエンは考えた。そして、賛同者が増えた。
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心の理論
他者の心の動きを類推したり、他者が自分とは違う信念を持っていると言う事を理解したりする機能。1983年から開始された『心の理論』の発達的研究で、幼児期の4歳と、児童期の9歳頃に発達の節目がある事が分かった。また、『心の理論』課題の通過は言語性 IQと強い相関関係がある事も分かった。
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今、カウンセリングや心理療法を1日に7ケースは行っている。殆どが発達障害の患者さん。朝、8時から夕方の5時まで、途切れることはない。予約時間になると心理室に患者さんが次々と尋ねてくる。これだけこってり関わっているので、職場で医療スタッフより発達障害の患者さんたちと話をしている時間の方が圧倒的に長くなってしまっている。そのお陰で、発達障害の事にはとても詳しくなったんですが…
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地域で某有名発達障害専門クリニックがある。このクリニックから関わりきれないとの事で時折シビアな症状の患者さんが勤務先に紹介されてくる。その内の数ケースに私が関わっている。シビアなケースが多いので、関係者が集めてケース会議をよく開く。
先日、このクリニックから紹介されて来た患者さんのこのケース会議の合間に、あのクリニックの事が話題に上った。話題提供は現在の主治医の精神科医(因みに、この精神科医は発達障害の事はさっぱり分かっていない)。
現在の主治医
児童精神科医なんて言っているけど、あのクリニックの先生って腕が悪いのではないか。自分で自分の事をADHDなんていっているし…。あそこからこちらに転医してくると、症状が落ち着きどんどん状態がよくなっていく。
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発達障害にせよ、統合失調症にせよ、脳の機能の障害だ。心理診断の事ばかりに目を向けるのではなく、初心に返って、検査に反映される性格特性からどのような支援が必要なのかに着目するのが良い。
著明な先生がこのようにコメントしていた。
確かに御尤もでございます。
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今年に入ってから発達障害の講演会や勉強会に参加した成人期の発達障害の方々から、自分もサポートブックを作りたい、と言う相談を数件受けた。相談の中には、雛形を参考に自分で作ったが使い方が判らないので使い方を教えて欲しい、と言う相談もあった。折角作ったのに全く役に立っていない、と言う。勿体無い。
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唐突にベテランの臨床心理士がこんな事を話をしてきた。
スタッフのAさんが、インフルエンザの予防接種を受け、それが原因でインフルエンザに罹ったらしい。AさんってADDって見立てているけど、予防接種を受けインフルエンザに罹ったってことはADDって裏付けているよ。
何を根拠に突然こんな事を言うのか、と思ったので尋ねた。
何故、予防接種を受けインフルエンザに罹ったるとADDってなってしまうの???。Aさんのところは子どもが小さいので幼稚園とかで子どもがウイルスを貰って返って来て感染することだってある。皆が集まるところは感染し易いですよ。
インフルエンザって悪化すると脳炎になるから、脳に悪影響を及ぼすぢゃない。発達障害の人の脳ってデリケートだから反応したと思う。
冗談のつもりか、と思ったが、かなり真剣みたい。裏筋診断のつもりでいる。
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WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)、ウエイスと読む。ウェックスラー式知能検査の成人版の事である。臨床領域では比較的多く用いる検査。WAISの改訂版がWAIS-R、更にその改訂版がWAIS-Ⅲである。1990年より親しまれてきたWAIS-Rは2010年の10月で検査用紙が絶版となる為、今後はWAIS-Ⅲが主流になる。
WAIS-Ⅲでは、言語性IQや動作性IQの他に、言語理解(単語・知識・類似)、知覚統合(絵画完成・積木模様・行列推理)、作動記憶(算数・数唱・語音整列)、処理速度(符号・記号探し)と言った4つの群指数が得られるようになった。数値で能力が表される分、検査者にとってはWAIS-Rより扱い易くなり、細かく分析が出来るようになったように見える。
続きを読む "発達障害 WAIS-Ⅲの落とし穴" »
出来ないことを出来るようにさせようとすると、何とかしたいと言う意気込みからついつい力が入ってしまいます。そんな状態で、頑張れ、頑張れ、と叱咤激励をしても、どうにもこうにも、相手の意欲を削いだり、やる気を萎えさせたりする結果を導き出してします。言われる側は、もう声を聞くだけでうんざりしてしまい、話の内容に耳を傾ける前に声をシャットアウトしてしまいたくなります。そんな素振りを見て更に熱くなってしまうと、相手に伝えたい事は更に伝わりにくくなってしまいます。
納得と共感が生まれないと、人のモチベーションは高まらない事が判ってきています。
出来ない事を、頑張れ、頑張れ、と叱咤激励しても、納得と共感はなかなか生まれません。出来ないことを出来るようにさせたい、と言う周囲の思いは十分に理解出来ます。でも、そんな時は、出来た事に対し、よく頑張ったね、と言った方が、納得と共感が生じモチベーションは高くなるものです。
そんなの当然ぢゃん、と仰る方もいらっしゃると思いますが、分かっちゃいるけど上手く出来ないと言うものでもあります。
続きを読む "カウンセリング・精神療法 大切なのは、出来た事によく頑張ったねの一言" »
発達障害か、統合失調症か、精神科医が確定診断に戸惑った際、心理検査の依頼がある。WAIS-Rやロールシャッハ・テストを用いて欲しいと検査項目まで指定されてくる事があるのだが…
果たしてロールシャッハ・テストで確定診断の参考となる情報が得られるのだろうか。
続きを読む "発達障害 果たしてロールシャッハ・テストで確定診断の参考となる情報が得られるのか" »
心理療法を多くの発達障害を抱えた人たちが利用するようになり、それなりの効果が上がっているように感じる。でも、そこで得られた知見は、事例検討が中心の為、倫理とかの壁に挟まれてなかなか公にならない。特定の研究者・臨床家達の所には情報が蓄積されている。しかしそこから情報はなかなか出てこない。これは第一の壁だ。それでも知見を得ようとするなら、研修会だの、講演会だのに参加すれば得られない事も無い。ただ、情報を得ようとするとお金が必要になってくる。特定の研究者・臨床家達は情報がお金になることを知っている。だから情報を出し渋る。これが第二の壁。
続きを読む "発達障害 事例を通して得られた情報を阻む壁" »
ポジティブなフィードバックを行う際に気をつけないといけない事がある。ポジティブなフィードバックを行う事が必ずしも適応的な行動を強化するとは限らないのだ。案外、ポジティブなフィードバックを行えば適応的な行動を強化されるものだと信じている治療者は多い。しかし、ポジティブなフィードバックを行う事が反って、治療者が強化しようと考えている適応的な行動を思い止まらせようとさせてしまう事がある。
続きを読む "カウンセリング・精神療法 ポジティブなフィードバックがネガティブなフィードバックに" »
今後、明確な幻覚妄想と思路障害を欠き、明確な契機なく思春期発症の社会不適応と言う経過で統合失調症と診断された人の診断が変るだろう。
続きを読む "発達障害 統合失調症から発達障害と診断されるケースの増加" »
近年、アメリカでは1日あたり67人が新たに自閉症と診断されている、と言われ、増加傾向にあり、注目が集まっている障害である。
続きを読む "発達障害 自閉症と扁桃体との関係" »
転居や退院後の通院困難等のやむを得ない事情により他の医療機関に移る患者さんが時々いる。移った先でもカウンセリングや心理療法を継続したいと考えている人は比較的に多い。そして、その内の多くが、効果を実感したので、出来れば継続した技法や治療目標が良い、と希望する。
続きを読む "カウンセリング・精神療法 臨床心理士が記す紹介状" »
妊娠中から生後発達期(脳の発達期)に生じる微細な神経回路の形成障害が、将来の疾患発症の脆弱性基盤(発症し易さ)に関係するという「神経発達障害仮説」が注目を浴びている。そして、微細な神経回路の形成障害が、統合失調症、気分障害(そううつ病)、ADHD、強迫性障害等の脳機能障害の発症し易さとの関連していると言う考え方が徐々に広まっている。そして、こうした脳の機能障害では、周囲の不必要な雑音などが意識に上がらないようにシャットアウトするフィルター機能に障害が生じる症状が見られます。
続きを読む "ADHDとADD アラキドン酸が神経新生を促す" »
自閉とは、人に合わせるより自分の時間や世界を大切にする傾向。
こんな風に私は理解して、患者さんに説明をしています。でも、自閉って何、と尋ねられて、自閉と言う言葉について説明するとなると、難しいですよね。
続きを読む "発達障害 『自閉』を説明出来ますか???" »
嗜癖と書いて「しへき」と読みます。英語では、アディクション(addiction)と言います。意味は、「分かっちゃいるけどやめられない」と言う意味。つまり、病み付き状態=依存症の事を指します。
病み付きと言えば、麻薬・覚醒剤等の薬物やお酒等の物質への依存が頭に浮ぶ人が多いのではないでしょうか。薬物依存とか、アルコール中毒とか、ニコチン依存とか耳にする機会が多いので、頭に浮びやすいのでしょう。この他にも、ギャンブル依存(病的賭博)、買い物依存、携帯電話依存、パソコン依存等などがあります。これらの逸脱行為はみんなみんな、嗜癖=病み付き=依存症なのです。DSM-Ⅲ-Rと言うアメリカの精神疾患の診断マニュアル以降、必ずしも禁断症状(離脱症状)が必要ではないとされたことで、一気に依存の診断が拡大していきました。そのため、セルフ・コントロールの障害や習慣化した行動に対して、『嗜癖』に結びつける傾向が強くなっりました。そして、配偶者や恋人への暴力・ドメスティック・バイオレンス(DV)やストーカー行為も嗜癖に。ネット依存も嗜癖。これから紹介する性依存も嗜癖。夫々皆、「分かっちゃいるけどやめられない」ですもんね。
しかし、しかし、このように物質以外のものにまで『嗜癖』の概念を広げていくことは、精神医学の中では確立しているとは言えません。このような概念で捉えている人たちもいると言う位にご理解頂ければ幸いです。
続きを読む "アディクション セックス(性)依存のチェックリスト" »
発達障害だと思って精神科を受診しても、発達障害ではありません、とあっさり否定されてしまう成人期になって発達障害が強く疑われる患者さんは多い。双極性障害、解離性障害、統合失調症と診断されてしまうケースが多い。そして、誤った治療で症状が複雑化してしまうこともある。
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重ね着症候群(layered-cloths syndrome)
重ね着症候群には、前景に種々の精神症状が存在する。背景にある発達障害の障害の程度が軽いことが多いので、発達障害の存在に気付き難い。更に、小児期に発見されていないため、症状は複雑になっており、診断基準のクライテリアを満していない事が多い。つまり、発達障害による脳の機能の障害は、部分的で特異的なものになる。従って、診断基準に依存する発達障害治療の経験が乏しい治療者の場合、診断の際、発達障害を除外してしまうことが多い。
続きを読む "発達障害 重ね着症候群(layered-cloths syndrome)診断" »
イギリスの女優のナターシャ・リチャードソンさんが、スキー中に転倒し、頭部強打し、それが原因で死亡した。転倒時、ヘルメットは着用していなかったと言う報道を機に、スキー場でのヘルメット着用をめぐる議論が再燃している。着用して効果があるのか、義務化にするべきなのか、と言う事で意見が対立しているのだそうだ。ヘルメット着用することで頭部外傷の60%を避けられる、と言う意見を支持している専門家がいる。一方で、ヘルメットで負傷の程度が軽くなるとも言いきれない、と言う考え方を支持する人達もいる。ただ最近の動向として、ヘルメット着用する人が増えていることと子どものヘルメット着用を義務付けするようになった国があると言う事は事実のようだ。
私は、12歳未満の子どもはスキーに限らず自転車の乗る時もヘルメットの着用した方が良いと言う立場をとっている。たかがヘルメットぐらいと思うかもしれないが、頭部強打による脳の損傷は比較的生じ易いのだ。脳は頭蓋骨に護られているから安全だと考えている人がいるかもしれない。しかし、頭蓋骨の中に納まっているから損傷し易いのだ。頭蓋骨の中に脳が納まっている状態と言うのは、小さな凸凹のあるタッパの中に豆腐が入った状態に似ている。そんなタッパを衝撃を与えたらどうなるか。高い確率で、微妙に豆腐は崩れてしまう。同じ様に頭蓋骨に衝撃が加わると脳にMRIやCTでは捉えられない微妙な損傷が起きてしまう可能性のだ。発達期の子どもの脳に微妙な損傷が起こると、脳の健康な発達に支障を来たす可能性がある。特に、司令塔の役割を果たしている前頭前野(おでこの裏側辺り)は、衝撃の力が集まり易く、損傷し易い部位だとされている。そんな重要な部位を護ることはとても重要である。
続きを読む "発達障害 ヘルメットを着用し衝撃から脳を護れ!!!" »
発達障害と言う診断名での障害年金の受給は難しいと言うのが相場である。しかし、発達障害であるのに他の精神科疾患と診断されたお陰で現在障害年金を受給している人は少なくはない。
発達障害、としっかり診断されると年金受給が難しく、誤診されると受給出来る。これって何だか変ですよね。
続きを読む "発達障害 障害年金受給大作戦 誤診の勧め" »
随分前の話になる。日本の発達障害の治療の大御所である某先生は、討論の中で、100例以上知らない人には自閉症を語って欲しくない、と語ったことがある。確かに仰る通りである。とても奥が深く、一人一人微妙に症状が違っており、数例だけの経験では何ともならない事の方が多い。例え、100例以上知っていたとしても戸惑う事はある。
続きを読む "発達障害 多くの症例を知らない専門家" »
併存障害(発達障害と一緒にある病的な状態)がある場合を除き、基本的に発達障害の人には精神薬が必要でない、と記載されている一般向けの発達障害関連の本は多々ある。私の臨床経験からしても、確かにその通りだと思う。
続きを読む "発達障害メモ 薬を減らすのが目的ではない" »
統計とかとっていないので、あくまでも経験的に感じることです。
集団療法の場での統合失調症の人と発達障害の人の他の参加者に対する認知には違いがある。その違いとは???
続きを読む "発達障害 統合失調症の人と発達障害の人" »
乱用する輩が多く、リタリンが処方できなくなった。
困った。困った。困った。
あれは、効く人には物凄く効く素晴しい薬だった。
処方出来なくなった所為で調子を崩す人が続出した。
その後、リタリンに代わり、コンサータが登場。
あれはあれでアメリカでも好評の良薬。
しかし、日本では成人には用いる事が出来ない。
子供のみ処方が許されている薬。
子供の頃効いたので 成人になっても継続処方
なんてこともあるらしいが、
まぁ、成人期になって診断が下った人には縁のない話。
続きを読む "発達障害 リタリンの代わりになるか???、この薬" »
発達障害と言うのは、トラウマの塊のようだ。子どもの頃から、脳の機能の障害が原因で物事が円滑に行えない事が多く、自分だけ出来ない、と言うコンプレックスを抱きがち。そこに、しっかりしなさい、と親からの強烈な精神的な圧力が掛かる。どんどん自信喪失。親からの精神的な圧力は正しいものだと信じ、蓄積していく。更に、学校ではからかわれたり、虐められたり。こうやって、トラウマは作られ、PTSDの下地は完成していく。
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反応性愛着障害(reactive attachment disorder)、って言葉を聞いたことがありますか。愛着障害(attachment disorder)と呼ばれていることが多いので、こちらの言葉なら知っていると言う人も居るかもしれませんね。
この反応性愛着障害とは、必要な世話を適切に受けられないことによって生まれてくる障害の事を指します。近年、子どもに広がっているのではないかと心配されています。アメリカ精神医学会のDSM-�と言う名の精神疾患の分類と診断の手引きには、反応性愛着障害が作られる要因を以下のように示し、病的な養育としています。
�安楽・刺激及び愛着に対する子どもの基本的な情緒欲求の持続的無視。
�子どもの基本的な身体的欲求の無視。
�第一次世話人が繰り返し代わることによる安定した愛着形勢の阻害。
例えば、養父母が頻繁に代わる事。
この反応性愛着障害には、『抑制型』と『脱抑制型』の二つがあるとされています。
『抑制型』
世話をする人を過度に警戒し、甘えたいのに素直に甘えられない。優しく関わってくれているのに腹を立てたり、泣いたりする。物凄く矛盾した気持ちを背負っています。
『脱抑制型』
初対面の人にも馴れ馴れしく接近し、過剰とも思える程の親しみや愛着を示し、無警戒で相手をよく吟味しません。
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