TEACCHとは、「自閉症及び関連するコミュニケーション障害の子どものための治療と教育(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildren)」の略である。アメリカでは、1960年代からTEACCHは療育プログラムとして実践されている。その手法は、世界各国で評価され、広汎性発達障害者を学習面や生活面で支援する有効な手段として用いられている。
私は、TEACCHに関して専門的な教育を受けてきている訳ではないので、そんなに詳しくないが、TEACCHの基本理念をこんな風に捉えている。 ① 専門家と連携する。 ② 大人が歩み寄り、工夫する。 ③ 個別プログラムを作成し、人生全体を見通す。 ④ 夫々の特性や機能に合わせ、環境を構造化する。
どれも日々の臨床の中で試行錯誤を繰り返した結果、当然のように行っている事ばかりで、重要さは認識しているつもりである。どれを欠いてもやりにくい事ばかりなので、何故こうした対応が必要なのか、それなりに認識しているつもりである。
TEACCHの事でちょっと気になった事がある。TEACCHは大学院で専門的に学んできたので詳しいと言う専門機関の専門家とケア会議で意見交換をした時の事である。参加者は夫々に専門的に学んできたと言うこの専門家の専門性に敬意を払い、支援方法に耳を傾けた。しかし、構造化は大事にするのだが個別化が軽視されている事が気になった。よく分からない者が専門性にケチつけるのは失礼(問題が生じた時点で意見をしたら良い)と思い、その場は、意見を尊重した。
支援が悉く失敗したので、緊急のケア会議を開いた。TEACCHが上手く行かなかった理由が分からない、との事だったので、構造化の重視・個別化の軽視を指摘すると(つまり、各自の特性や機能を無視すれば適切な支援は難しい、と言う事だ)、気付いた。
こうしたケースは今回に限った事ではない。しばしば遭遇するケースである。TEACCHって言うのは、各自の能力に合わせて、学んだり取り組んだりするためのより良い方法を駆使しながら、その個人が達成可能と考えられるより高いレベルのパフォーマンスを実現しようとするもので、単なる一つの技法ではないような気がする。発達障害者を理解することなく、何でもかんでもTEACCHを用いたら良いと言うやり方は、ちょっと…