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自閉症スペクトラム

2011年6月10日 (金)

発達障害 音韻の分別と読字能力

 発達障害の方との心理のセッション中、ひょんな事から、動物園の話になる。相手はぞうぶつえんを繰り返す。

 ぞうぶつえん。それはなんぞ???。聞いてみる。

 どうぶつえん、と言う音韻がこの人には、ぞうぶつえん、と聞こえるらしい。そして、象がいるからぞうぶつ園、と50年間そんな理解をしていたらしい。

 恐らくこうした聴覚刺激の不正確な把握は一例なのだろう。

 音韻に対する認識力が持てるようになると、読字能力は安定していく。この方の場合どうなのだろう。少し苦手で、しっくりいかない点は、誤った意味付けがなされるようだ。

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2010年6月 6日 (日)

発達障害 携帯電話の契約支援

 携帯電話を利用している成人の発達障害者は多い。電話やメールは、生活や趣味に利用されており、必需品となっている。また、電話やメール以外にも携帯電話の機能は、スケジュール管理、ちょっとしたメモ等に利用されており、サポートツールとして利用されている。

 このように便利な携帯電話なのだが、契約内容の理解が出来ないまま契約してしまったり、所持を諦めてしまったりするケースもある。

 契約内容の理解が出来ないまま契約してしまった場合、サービス内容に用いられる言葉の理解が出来ない事が非常に多い。その為、見合った契約がなされていない事が多く、高額な利用料金が請求されてしまったり、不必要なサービスに利用料を支払ったりしてしまうケースがある。
 所持を諦めてしまうケースでも、ベースに契約内容の理解が出来ない事が多い。サービス内容に用いられる言葉の理解が出来ないので、高額な利用料金が請求されるのではないか、と尻込みしてしまう。また、過去に高額な利用料金が請求されたので、懲りてしまったなんて事もある。

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2010年5月25日 (火)

成人期の発達障害 診断を悩す三つ組みの障害

 素人向け、専門化向けを問わず、成人期の広汎性発達障害のガイドブックにも、三つ組みの障害についての説明が載っている。そして、成人期の広汎性発達障害者なら三つ組みの障害があるようなことが書いてある。そんな訳で、診断をする際に三つ組みの障害の有無を重要視する精神科医や臨床心理士は多い。

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 三つ組みの障害
  
社会性の質の偏り(社会性の障害)
  コミュニケーションの質の偏り(コミュニケーションの障害)
  社会的イマジネーションの質の偏り(想像力の障害)

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 しかしながら、実際のところ、成人期の広汎性発達障害だろうと推測しても、三つ組みの障害がないと言う理由で、『広汎性発達障害』と言う診断を回避してしまうケースは少なくない。そして、統合失調症、双極性障害、解離性障害等々の診断がなされてしまう事が多く、治療をより難解なものに導いてしまう。

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2010年1月27日 (水)

発達障害 黒いお菓子って、難だ、何だ、なんだ???

 患者さんや家族からお世話になった御礼と言うことで断り切れずに受けとる羽目になったお菓子を黒いお菓子と呼んでいます(あくまでも職場での隠語です)。黒には、後ろめたい、と言う意味を含ませています。

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2009年12月 8日 (火)

発達障害 自閉症スペクトラムと『心の理論』

 一寸前の時代になるが、『心の理論』は、イギリスで受けに受けまくった(因みに、アメリカでは相手にされなかった)その影響を受け、日本でも自閉症スペクトラムと『心の理論』との関係が持て囃された。自閉症スペクトラムの基本症状を、人の気持ちが判らない事(相手の欲求、意図や信念等の心理的な状態を把握する認知能力に特異的な弱さがある事)、とサイモン・バロン・コーエンは考えた。そして、賛同者が増えた。

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心の理論
 
他者の心の動きを類推したり、他者が自分とは違う信念を持っていると言う事を理解したりする機能。1983年から開始された『心の理論』の発達的研究で、幼児期の4歳と、児童期の9歳頃に発達の節目がある事が分かった。また、『心の理論』課題の通過は言語性 IQと強い相関関係がある事も分かった。
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2009年4月13日 (月)

発達障害 『自閉』を説明出来ますか???

 自閉とは、人に合わせるより自分の時間や世界を大切にする傾向。

 こんな風に私は理解して、患者さんに説明をしています。でも、自閉って何、と尋ねられて、自閉と言う言葉について説明するとなると、難しいですよね。

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2008年10月 6日 (月)

発達障害 味噌も糞もTEACCH

 TEACCHとは、「自閉症及び関連するコミュニケーション障害の子どものための治療と教育(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildren)」の略である。アメリカでは、1960年代からTEACCHは療育プログラムとして実践されている。その手法は、世界各国で評価され、広汎性発達障害者を学習面や生活面で支援する有効な手段として用いられている。

 私は、TEACCHに関して専門的な教育を受けてきている訳ではないので、そんなに詳しくないが、TEACCHの基本理念をこんな風に捉えている。
  
専門家と連携する。
  
大人が歩み寄り、工夫する。
  
個別プログラムを作成し、人生全体を見通す。
  
夫々の特性や機能に合わせ、環境を構造化する。

 どれも日々の臨床の中で試行錯誤を繰り返した結果、当然のように行っている事ばかりで、重要さは認識しているつもりである。どれを欠いてもやりにくい事ばかりなので、何故こうした対応が必要なのか、それなりに認識しているつもりである。

 TEACCHの事でちょっと気になった事がある。TEACCHは大学院で専門的に学んできたので詳しいと言う専門機関の専門家とケア会議で意見交換をした時の事である。参加者は夫々に専門的に学んできたと言うこの専門家の専門性に敬意を払い、支援方法に耳を傾けた。しかし、構造化は大事にするのだが個別化が軽視されている事が気になった。よく分からない者が専門性にケチつけるのは失礼(問題が生じた時点で意見をしたら良い)と思い、その場は、意見を尊重した。

 支援が悉く失敗したので、緊急のケア会議を開いた。TEACCHが上手く行かなかった理由が分からない、との事だったので、構造化の重視・個別化の軽視を指摘すると(つまり、各自の特性や機能を無視すれば適切な支援は難しい、と言う事だ)、気付いた。

 こうしたケースは今回に限った事ではない。しばしば遭遇するケースである。TEACCHって言うのは、各自の能力に合わせて、学んだり取り組んだりするためのより良い方法を駆使しながら、その個人が達成可能と考えられるより高いレベルのパフォーマンスを実現しようとするもので、単なる一つの技法ではないような気がする。発達障害者を理解することなく、何でもかんでもTEACCHを用いたら良いと言うやり方は、ちょっと…

2008年9月19日 (金)

発達障害 成人期の発達障害(基本編)

 成人期の発達障害と言うのは、比較的新しい分野です。例えば、ADHDのような障害の場合、加齢と共に症状が軽減し、良くなると信じられてきました。未だに多くの専門医ではない医者の多くがこの偽りの情報を信じています。しかし、そうではない事が分かってきました。症状が目立たなくなるだけで、障害が残存しているケースが多かったのです。

 成人期になって発達障害と診断されるケースは、乳幼児検診で見落とされてしまったケースです。凡そ10%程度と考えられていますが、もしかしたらもっと多いのかもしれません(ADHDは20人に1人と言われている位ですから)。そして、症状と言うのは、多岐に亘ります。そして、幼少期から変らない症状もあれば、加齢と共に変化(消失・出現)する症状もあります。そして、年を経るに従ってベースにある発達障害特有の症状とは別に、性格特性や心気症などの併存障害が生じてきます。発達障害と言うのはこう言うものだと考えていただけるといいかもしれません。

 尚、発達障害は、スペクトラム(連続体)と言われるものなので、どこを境に異常と正常との境界線を引くかは、診断する専門家に委ねられます。従って、非常に分かりにくいもので、知識も必要ですが、より臨床経験が必要になってくると思います。

【関連blog】
 発達障害 PMT(Parents Manegement Training) 家族の言葉
 発達障害 『親のための管理訓練』(PMT:Parents Manegement Training)をして欲しいと感じている家族は多いが…
 成人期の発達障害 受診をしたがらないケースは如何したらいいの???
 『親のための管理訓練』(PMT:Parents Manegement Training) 家族に対する私のセラピー
 ADHDとADD 『親のための管理訓練』(PMT:Parents Manegement Training)について

2008年8月31日 (日)

広汎性発達障害 受身型

 臨床場面で、常に周囲からの働きかけを待っている受身型の広汎性発達障害の人を見かける。
 このような受身型の人は、自分の望んでいることを周囲の人達がしてくれる、と言う前提で対人交流が成り立っている感じ。あくまでも受身型の人だけの前提なので、周囲の人達はそんな前提を知る由もない。その為、周囲の人達が望んでいることをしてくれない、と外罰的に認知し、深読みをして、イライラしたり、腹を立てたり、不信感を持ったり、被害的になって、それ態度や表情に表れてしまう(表れてこないケースもある)。
 そうした変化に周囲は理由が分からないので、どうしたんだろう、と思う程度。しかし、再三こんな事が続くと、周囲の人達は受身型の人に対して、付き合い難いのでちょっと距離をとろう、なんて感じて、敬遠するようになる。こうした状況を見て受身型の人は、周囲の人達が望んでいることをしてくれない、と言う認知から、周囲が故意に望んでいることをしてくれない、と認知になり、更に、イライラしたり、腹を立てたり、不信感を持ったり、被害的になって、次からその人達やその場面を避けようとする。実は。受身型の人にとって、周囲に敬遠される(嫌われる)と言う状況は一番避けたい状況で、本当はこんな態度を取りたくないのだろうと推測する。しかし、周囲の人達の自分への思いを試すかの如く、このような態度を取る。

 とにかく、その時その時の思いを言葉で把握しにくいと言う点で、受身型の人は関わりにくい。態度や表情に現れてくれば受身型の人の気持ちに推測することが出来、対応も出来るが、表れてこなければ分からない。何らかのサインと言うものがあるので関係作りの中で見つけていかなければいけないでしょうが。とは言っても、怒っているように見える時は、なんとなく怖くて声掛けを躊躇ってしまう専門家も多く、そんな反応が関係の悪化を招いてしまうこともある。

 試行錯誤する中で、受身型の人が言葉で表現しにくいのであれば表現し易いように声掛けをしてみるのはどうか(関わりが鬱陶しいようであればそれも示されるであろう)、100%望んでいないかもしれないが好意的な関わりになるのではないか、と言う結論に至った。そして、実行。意外に上手くいった。中には、本当は自分の事が嫌いでそれを隠す為に話しかけてくる、と認知した受身型の人もいたが、関わり自体は嫌そうではなかった。

 尚、表現し易いように声掛けをしてみると言うやり方は効果的ですが、闇雲に話しかければ良いと言う訳ではありません。