0~3歳児を対象にした早期教育を受けている幼児・児童が奇声を上げたり、食欲不振になったり、暴れると言う症状を呈する事例が増えている。特に、絵や漢字が記されているフラッシュカードを1秒に2枚の速度で提示し、早口で読み上げさせると言う訓練を受けている幼児・児童に多発している。
早期教育と言う発想は、大脳細胞の8割は3歳までに出来上がるのでそれまでに教え込め、と言うソニーの井深大の『幼稚園では遅すぎる』と言う1971年のベストセラーからのもの。これに端を発し、現在まに至っている。
確かに、大脳の8割は3歳までに出来上がるかもしれないが、大脳細胞の8割が出来上がることは知能が発達すると言うことではない。また、知能は7つあるだろうと考えられていて、バランスよく発達させるのが大切である。特定の知能だけ鍛えるようなやり方をしても意味はない。生活をしていく際に特定知能だけ使うと言う事はない。多くの場合、複数の知能を組み合わせている。それに、知能と言うのはその後時間をかけて発達していく。順番に知能は発達するので、一足飛びに色々教え込んでも、使いこなす能力が整わないので、無駄だ。
そもそも知能は、7つはあるだろうと考えられている。
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●言語的知能
言葉を用いて、表現したり、理解する能力。言語習得には臨界期(7~8歳)があると考えられている。
●音楽的知能
音楽を鑑賞したり、自分で演奏したり、歌ったりする力。つまり、リズムと音のパターンを扱う能力。絶対音感は、臨界期があると考えられている
●空間的知能
自分の体と周りの空間との関係を理解し、空間の中で自分の目的にあった運動をスムーズに行う働き。
●対人的知能
周りの空気を読み取る力やソーシャル・スキルのこと。
●身体運動的知能
一般に、運動神経と言われているもの。
●個人内知能
他者の感じていることや考えていること等を適切に理解し、他者に向けて理解しやすいように表現する能力)
●論理的数学的知能
論理的に考える能力や数・記号・図形を扱う能力。
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絵や漢字が記されているフラッシュカードを1秒に2枚の速度で提示し、早口で読み上げさせると言う訓練がこれらの知能全てを均等に発達させるとは思えない。ましてや、機械を使った訓練などでは不可能だ。
乳幼児に中国語をビデオを用いて学ばせた場合とビデオと同じ内容を人が直接教えた場合の乳幼児の学習の度合いを調べた研究がある。この研究から、ビデオを用いると反って学習の低下に繋がることが分かった。ビデオのような一方通行でフィードバックがない機械には、乳幼児の知能を育てることは不可能なのである。
絵や漢字が記されているフラッシュカードを1秒に2枚の速度で提示し、早口で読み上げさせるような早期教育には学術的(発達心理学的)な根拠はない。早期教育は大切、と謳って教材を売りつける手段なのである。こうしたやり方は、乳幼児の精神面に変調を来たすとして諸外国からも問題が提起されている。
早期教育を考えるのであれば、機械に頼らずコミュニケーションをとりながら、年齢に見合った発達課題に取り組んでいくのがいい。
【参考になる本】
多元的知能の世界―MI理論の活用と可能性
赤ちゃんの知能を伸ばすふれあい遊び180
子どもの脳の発達臨界期・敏感期 早期教育で知能は大きく伸びるのか? 講談社 +α新書
教育と脳―多重知能を活かす教育心理学
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