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2010年2月 9日 (火)

植物状態と誤診されるケースが案外ある

 テクノロジーの発展と言うのは、人間の生命観を変えるかもしれない。

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 イギリスのケンブリッジ大学とベルギーのリエージュ大学の共同研究チームが、植物状態と診断された23名の患者さんに、「はい」「いいえ」で答えられる質問を投げ掛けた際の脳の反応を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で調べた。健常者は、質問に対する答えに一致する脳の反応が生じた。一方、植物状態と診断された患者さんには、健常者のような反応は現れないだろうと考えられていたのだが、4名の患者さんが質問に反応したと言う。
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 この研究報告からは、植物状態と診断されている患者さんの中には誤診されている患者さんが含まれており、そうした患者さんとはfMRIを用いて外界との意思疎通が図れる可能性があることが分かる。

 そう言えば、昨年末、ベルギーで23年前の交通事故で植物状態に陥ったと診断された男性に意識があることが判明し、コンピューターのキーボードを通して「叫びたかったが声が出なかった」と男性が訴え、注目を浴びていた。後に植物状態と言う診断は誤診であったとされた。

 脳は広範囲でダメージを受けても、ダメージを受けていない部分を活用して失われた脳の機能を補う。補う事が可能な場合、ダメージの程度がシビアな程、バックアップに要する時間が掛かるのだろう。その期間が植物人間のように見えるのだろう。

 『奇跡の脳』の作者のジル・ボルト テイラーは脳外科医で、先天的な脳血管の畸形から脳出血となり脳に大きなダメージを負った。そして、彼女は適切なリハビリを受けながら回復までに8年掛かったと言う。私も脳梗塞を経験している。後遺症の大半が解消されるまでに2年掛かった。正直言って、これほどダメージを受けていない部分を活用して失われた脳の機能を補うのには時間が掛かるとは思っていなかった。また、時間が掛かってもある程度回復するとも思っていなかった。

 話をイギリスのケンブリッジ大学とベルギーのリエージュ大学の共同研究チームの研究報告に戻す。植物状態と診断されている患者さんの中には誤診されている患者さんが含まれて言うのであれば、私には植物状態だからと言って安易に安楽死なんて選択は出来そうにない。

【関連図書】
 奇跡の脳

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