かなひろいテストの解釈
この検査は、痴呆の有無や度合いを知るために使う検査です。年を取ってくると、複数の能力を同時に使えなくなってきます。痴呆のような病的な老化であればなおさらです。文章を読みながら同時に字を探し出す、と言う二つの能力を同時使えかどうかを判断するために使います。よろしかったら、チャレンジしてみて下さい。文字を36ポイントに設定して、それをA4の用紙に印刷すると良いと思います。
【問題】
次のかな文を声を出して、意味を読み取りながら、同時に「あ・い・う・え・お」を見つけたら拾いあげて、○をつけて下さい。(制限時間は2分間です)
【例題】
ももたろうは、きじといぬとさるをけらいにして、おにがしまへ、おにたいじにいきました。
むかしあるところに、ひとりぐらしのおばあさんがいて、としをとってびんぼうでしたが、いつもほがらかにくらしていました。ちいさなこやに、すんでいて、きんじょのひとのつかいはしりをやっては、こちらでひとくち、あちらでひとのみ、おれいにたべさせてもらって、やっとそのひのくらしをたてていましたが、それでもいつもげんきでようきで、なにひとつふそくはないというふうでした。
ところがあるばん、おばあさんがいつものようににこにこしながら、いそいそとうちへかえるとちゅう、みちばたのみぞのなかに、くろいおおきなつぼをみつけました。「おや、つぼだね。いれるものさえあれば、べんりなものさ。わたしにゃなにもないが。だれかこのみぞへおとしてったのかね」とおばあさんはもちぬしがいないかとあたりをみまわしましたが、だれもいません。「おおかたあながあいたんで、すてたんだろう。そんならここに、はなでもいけて、まどにおこう。ちょっくらもっていこうかね」こういっておばあさんはつぼのふたとって、なかをのぞきました。
平均値(危険域)は、
20代:44.1字(30字以下)
30代:42.5字(29字以下)
40代:38.3字(21字以下)
50代:33.1字(15字以下)
60代:24.0字(10字以下)
70代:17.3字(9字以下)
80代:10.7字(8字以下)
ここからは解釈です。
教示の際には、これからどうするのか、具体的に示していきます。そして、教示を正しく理解し、例題と本題に取り組めるか。ポイントは以下の通りです。
①教示を理解出来たか。
②示したことを例題で出来たか。
③示したことを本題に移行した時にも出来たか。
かなの文をしっかり読めていたか。声に出して読んでもらうのは、しっかり読めているのかを把握する為です。ポイントは以下の通りです。
①声に出してスムーズに読めているか(読むのに精一杯ではないか)。
②拾う文字を唱えながら読んでいないか。
③勝手に文章を作っていないか。
④かな文字を意味のある塊として把握出来たか。
かなはしっかり拾えたか。なかなか重要です。ポイントは以下の通りです。
①間違ったかなを拾っていなかったか。
②拾うかなが特定のものに偏っていなかったか。
③見落としたかなはどの位あったか。
内容の理解はどうか。内容の把握が出来ないことが多いので、なかなか重要です。ポイントは以下の通りです。
①把握出来ていない。
②例題の内容を答える。もしくは、例題と本題が融合している。
③正確に答えようとして話説明にまとまりを欠く
④適度の省略があり、程よくまとまっている。
読み・かな拾い・内容の把握が同時に出来ているか。ワーキングメモリー(作業記憶)に問題が生じてくると、困難に成ってきます。従って、とても重要です。
その他。
①スコアによる評価は大切ですが、先天的に前頭前野に萎縮があるなど脳の機能に問題がある人の場合、行動がゆっくり過ぎて、認知症ではないのにスコアが危険域に入ってしまうことがあります。読み・かな拾い・内容の把握が同時かつ正確に出来ているか見て、判断する必要がある場合もあります。
②検査室の外で発生する騒音のような妨害刺激が発生した時、注意が逸れないか。
標準化されていない検査であるが、これらのことをチェックし、総合的に判断を下していくと良い。
【ウェブページ】
神経心理学検査等の施行法と評価基準
【関連blog】
前頭前野機能検査 ストループ課題(modified stroop test with word interference)
時計描画テスト(CDT:Clock Drawing Test)
認知症のスクリーニング・テスト RDST(the Rapid Dementia Screening Test)
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