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2007年12月25日 (火)

ネットで売り出された知能検査

 アメリカ・テキサス州で、教育・裁判・医療等で広く使われる『ウェックスラー式』の検査問題が、ネットオークション・サイト『イーベイ』に出品された。

 ウェックスラー式知能検査は、アメリカで年間平均100万回以上実施されているポピュラーな知能検査で、検査対象年齢によって、WAIS-�、WISC-�等と名前が変り使い分けられている。臨床心理学者などの専門家のみを対象に販売されているものだけに、出版業者が「悪用の恐れ」を指摘し、イーベイに対して、出品の取り下げを求めている。これに対して、イーベイ側は「検査問題の販売に違法性はない」と真っ向から対立している。

 検査経験が豊富な専門家であれば、検査に関しての特別な知識が入っているかどうかは判る。問題が知られたとしても、どの辺りでどんな反応が多く出るか、疾患別にどんな特徴が出るか、等が判らない。その為、事前に内容を知っていて検査内容を操作しようとしてもおかしな反応となって現れるので判る。だから、経験を積んだ専門家がすれば、悪用はそれほど深刻な問題ではないと考える。

 それよりも重大な問題は、時間と金と労力をかけて沢山のデータを集めて標準化したのに、検査が専門家以外に多く知れ渡る事で、無力化してしまう事だ。標準化作業をする際には、検査を受ける人が検査内容を知らないと言う事が前提となっている。知れ渡る事でその前提が覆ってしまうのだ。つまり、標準化したデータが使い物にならなくなってしまうのである。年間、年間平均100万回以上実施されている検査だけに、この手の問題は痛い。

 日本でも、ウェックスラー式ほど頻回に用いられない心理検査等がネット上で公開されている。心理検査と言うのは、専門性・特殊性・閉鎖性で成り立っているのに…、と思う事がしばしば。訳が判らず公開している連中から、訳が判ってやっている心理検査に否定的な専門家まで色々います。

 困ったもんだ。



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