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2007年12月11日 (火)

カウンセリング・精神療法 困ったA-Tスプリット

 1人の患者さんに対して、精神科医と心理士が別々に平行して関わる事があります。精神科医が医学的な見地から薬物療法や現実的な指示を出し、身体管理を行なう。心理士が患者さんの心理面をメインに関わる(カウンセリングや心理療法)って具合に理解して頂けると判り易いと思います。こんな感じに、管理と治療を分けると言うことから、こう言った治療構造をA-Tスプリットと呼びます。

 ATスプリットを行っていると、管理と治療の境界を明確にしていきます。その為、精神科医と心理士は、互いの領域を干渉しないと言うことから、カルテ上のやり取りが中心となり、原則的に情報交換をする機会が減ってくる事があります。
 一見すると、精神科医・心理士の双方が頻繁に情報交換を行って、対応を協議しながら治療を進める方が、患者さんの状況が把握し易くなって、治療が順調に進んでいくように見えます。確かにそんな時もありますが、情報交換が密になると、心理士だけに話したつもりが精神科医に筒抜けになってしまったと感じ不信感が生じる等、逆に治療関係が悪化してしまう事もあります。そのような場合、ATスプリットは威力を発揮します。

 色々な精神科医とお付き合いしていると、ATスプリットの用い方が夫々異なる事に気付きます。ATスプリットにを使いこなせる精神科医から、都合よくATスプリットと言う言葉を用いている医者まで様々。時には、似て非なるものも。心理士が集って同士でこんなぼやきも…

 自分以外のスタッフのカルテを読まないのはATスプリットしているから、と適当な事を言う精神科医。思い通りに心理療法を進めようと色々要求した上でそれをATスプリットと呼ぶ精神科医。ATスプリットをしているから、と言う事で患者さんから質問されても、これは心理士に答えを貰って下さい、と言う精神科医。ATスプリットをしているのでそんな話は心理療法で話してください、と患者さんに指示する精神科医。ATスプリットと言っておきながら、心理療法の内容を患者さんに事細かに聞き、心理士にも詳細の記載を要求する精神科医。

 ATスプリットを本当に都合よく使っているよな。

 個人的に困ったのは、ある日突然、こんな風にATスプリットしているとその構造だけで患者さんが良くなっていくね、って言われたこと。ああああ、ATスプリットだったんですか???。唖然としました。だって、管理と治療が交差していたし、根本的に見立てが違っていて、心理療法とか、カウンセリングとかしても役に立たないと思ってしていたつもりがなかったので。

 教訓。これからは最初に確認しておこう。



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