心的外傷後ストレス障害(PTSD)について騙る
多くの精神科医が持っている米国精神医学会のDSM-�(精神疾患の診断・統計マニュアル)と言う診断マニュアル本やWHOのICD-10(国際疾病分類第10版)がある。そこに記載してある心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断基準の解釈が医師によってまちまちだ、と、以前、日本精神神経学会のシンポジウムで指摘されたことがあった。その上で、医師が犯罪被害者をPTSDと診断した際に、仮にその診断が実は誤診で、刑事事件の証拠に採用されてしまたったら、加害者側は不当に大きな責任を負わされてしまう可能性があると警鐘をならした。実際、司法側でも判断に混乱が生じているのが現状で、裁判でもPTSDの扱いが一定しないのが現状である。
一方、患者は患者で、自分はPTSDです、と自分で診断してくるし、些細な対人関係のトラブルで嫌なことがあると、それをPTSDだと呼びPTSDの診断をおねだりしてくる人が案外いる。明らかに捉え違いをしている。そして、医師はその要求に応える。おいおい、医療もサービス業だと感じる瞬間である。これも現場の実情である。ただ、裁判と言うことになれば、裁判沙汰にまきこまれたくないために、診断書を書きたがらない医師は多いと思いますが…
ここで、日本におけるPTSDの診断基準がちょっと変であると諸外国に思われた話があるので紹介したい。覚えている人も多いと思うが、平成2001年2月10日、ハワイ州オアフ島沖で愛媛県宇和島水産高等学校の練習船「えひめ丸」が、緊急浮上した米原子力潜水艦「クリーンビル」に衝突され沈没、乗員35名中9名が行方不明になった事件があった。この事件で生き残った高校生の多くがPTSDと診断された。この時、諸外国に比べ、尋常でないPTSDの出現率の高さにアメリカは、不信感を抱いた。PTSDの発症割合は、民族差がないと言われているのにこの高さ。ちょっと変。諸外国との間にPTSDの診断に温度差があったんでしょうね。
PTSDの診断基準がちょっと変であると諸外国に思われた背景には、医師が経験豊富な医師がPTSDと診断した症例に出くわしたことが無いと言う、問題が見え隠れしている。それ故、DSM-�やICD-10の診断項目の自己流解釈が起き、安易な診断に繋がる。他方で、PTSDに罹患しているにも関わらず、気づかない、若しくは、診断手順を知らないためにPTSDを見逃してしまう医師もいる。PTSDが比較的新しい概念のため、こんな問題も起ってくる。
現在、「精神科医が安易にPTSDと診断している」という批判と「PTSDが過大に評価され、司法側に混乱をもたらしている」と言う批判が起っている。反面、「PTSDが安易に診断され、過剰に法的に認定されている」と言う誤った印象も広がっている。これは、これで困った問題である。
因みに、PTSDの発症率や症状の度合は、ストレスの程度の大きさ・強烈なストレスに晒されていた時間に比例するとされている。また、裁判絡みになると、重症のPTSDに罹患している人程、被害届さえ出せない状態にあり、(刑事事件の場合は)告訴まで至らない、民事裁判を起こせない等、法的な手続きに乗り難い場合が多い。つまり、重症な人程、法的に救済されないと言う問題があるのです。
PTSDの診断技術は今後ある程度向上していくでしょう。それに伴って、司法側の判断の混乱も収束に向っていくでしょう。しかし、いつになることか。
【参考になる本】
★カプラン臨床精神医学ハンドブック―DSM‐IV‐TR診断基準による診療の手引
★DSM‐IV‐TRケースブック
★DSM-IV精神疾患の分類と診断の手引
★DSM‐IV‐TRケースブック「治療編」
★DSM‐IVに基づく精神科看護診断とケアプラン
★ICD-10精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン
一方、患者は患者で、自分はPTSDです、と自分で診断してくるし、些細な対人関係のトラブルで嫌なことがあると、それをPTSDだと呼びPTSDの診断をおねだりしてくる人が案外いる。明らかに捉え違いをしている。そして、医師はその要求に応える。おいおい、医療もサービス業だと感じる瞬間である。これも現場の実情である。ただ、裁判と言うことになれば、裁判沙汰にまきこまれたくないために、診断書を書きたがらない医師は多いと思いますが…
ここで、日本におけるPTSDの診断基準がちょっと変であると諸外国に思われた話があるので紹介したい。覚えている人も多いと思うが、平成2001年2月10日、ハワイ州オアフ島沖で愛媛県宇和島水産高等学校の練習船「えひめ丸」が、緊急浮上した米原子力潜水艦「クリーンビル」に衝突され沈没、乗員35名中9名が行方不明になった事件があった。この事件で生き残った高校生の多くがPTSDと診断された。この時、諸外国に比べ、尋常でないPTSDの出現率の高さにアメリカは、不信感を抱いた。PTSDの発症割合は、民族差がないと言われているのにこの高さ。ちょっと変。諸外国との間にPTSDの診断に温度差があったんでしょうね。
PTSDの診断基準がちょっと変であると諸外国に思われた背景には、医師が経験豊富な医師がPTSDと診断した症例に出くわしたことが無いと言う、問題が見え隠れしている。それ故、DSM-�やICD-10の診断項目の自己流解釈が起き、安易な診断に繋がる。他方で、PTSDに罹患しているにも関わらず、気づかない、若しくは、診断手順を知らないためにPTSDを見逃してしまう医師もいる。PTSDが比較的新しい概念のため、こんな問題も起ってくる。
現在、「精神科医が安易にPTSDと診断している」という批判と「PTSDが過大に評価され、司法側に混乱をもたらしている」と言う批判が起っている。反面、「PTSDが安易に診断され、過剰に法的に認定されている」と言う誤った印象も広がっている。これは、これで困った問題である。
因みに、PTSDの発症率や症状の度合は、ストレスの程度の大きさ・強烈なストレスに晒されていた時間に比例するとされている。また、裁判絡みになると、重症のPTSDに罹患している人程、被害届さえ出せない状態にあり、(刑事事件の場合は)告訴まで至らない、民事裁判を起こせない等、法的な手続きに乗り難い場合が多い。つまり、重症な人程、法的に救済されないと言う問題があるのです。
PTSDの診断技術は今後ある程度向上していくでしょう。それに伴って、司法側の判断の混乱も収束に向っていくでしょう。しかし、いつになることか。
【参考になる本】
★カプラン臨床精神医学ハンドブック―DSM‐IV‐TR診断基準による診療の手引
★DSM‐IV‐TRケースブック
★DSM-IV精神疾患の分類と診断の手引
★DSM‐IV‐TRケースブック「治療編」
★DSM‐IVに基づく精神科看護診断とケアプラン
★ICD-10精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン

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