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2006年7月14日 (金)

反応性愛着障害(reactive attachment disorder)

 反応性愛着障害(reactive attachment disorder)、って言葉を聞いたことがありますか。愛着障害(attachment disorder)と呼ばれていることが多いので、こちらの言葉なら知っていると言う人も居るかもしれませんね。
 この反応性愛着障害とは、必要な世話を適切に受けられないことによって生まれてくる障害の事を指します。近年、子どもに広がっているのではないかと心配されています。アメリカ精神医学会のDSM-�と言う名の精神疾患の分類と診断の手引きには、反応性愛着障害が作られる要因を以下のように示し、病的な養育としています。

 
安楽・刺激及び愛着に対する子どもの基本的な情緒欲求の持続的無視。
 
子どもの基本的な身体的欲求の無視。
 
第一次世話人が繰り返し代わることによる安定した愛着形勢の阻害。
  例えば、養父母が頻繁に代わる事。


 
この反応性愛着障害には、『抑制型』と『脱抑制型』の二つがあるとされています。

『抑制型』
 
世話をする人を過度に警戒し、甘えたいのに素直に甘えられない。優しく関わってくれているのに腹を立てたり、泣いたりする。物凄く矛盾した気持ちを背負っています。
『脱抑制型』
 
初対面の人にも馴れ馴れしく接近し、過剰とも思える程の親しみや愛着を示し、無警戒で相手をよく吟味しません。

 反応性愛着障害は、昔々の児童福祉施設で問題として扱われてきました。少人数の施設職員が職員の都合によって大勢の子ども達に関わっていた訳ですから、必要な世話を適切に受けられない状況が生まれるのは当然の成り行きでした。しかし、昨今では、一般の普通家庭でも見られるようになってきました。特に、馴れ馴れしく甘える愛着障害『脱抑制型』が多くなってきているようです。確かに、こんな子どもはいて、周りは逞しい適応力のある子なんて見ていますよね。

 子どもの発達と言うのは、勝手に発達していく部分もありますが、人との関係の中で学ばないと発達しにくい部分が多くあります。特に、2〜3歳の頃や8〜9歳の頃は、大切な感じがします。自己と他者の関係は、安心感や信頼感を発達させていくのに大切です。そんな大切な時期に本来受けられるべきものが受けられなかったり、誤ったものが与えられてしまったりしたら如何なるのか。もうお分かりですよね。安心感や信頼感が育ち難くなってしまいます。

 ここで勘違いして欲しくないのは、子どもの発達に大切な人との関係と言うのは、母子関係とは限らないことです。それだけが反応性愛着障害を引き起こす訳ではありません。例えば、虐待、大人優先で子育ては二の次と言うスタイル、学校での虐め、引越しの回数の多さ等など多種多様です。一般の普通家庭で反応性愛着障害が増えている背景には、こうした要因があるのでしょう。避けられることは、なるべく避けたいものですね。

 ある種の動物では、この時期までに成長しないと以後成長が見込めないと言う『臨界期』と言うものがあります。人間にあるかどうかはハッキリしませんが、言語習得は8歳までにしないと以後、見につきにくいと言われています。心の発達にも臨界期があるとすれば、やはり大人のご都合で子どもに関わるのではなく、子どものご都合にあわせた関わりが必要なのかもしれません。

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