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2006年2月20日 (月)

滋賀2園児殺害事件 低いコミュニケーション能力とストレス

 相手の言っていることが理解出来ない、とか、自分の思いを伝えることが出来ない、と言う状況は、非常にストレスフルである。

 臨床場面では、このようなコミュニケーション形態でストレスを溜め込んでしまっている人によく出会う。例えば、軽度精神発達遅滞や知能指数が境界域(精神発達遅滞と普通の間)の人たち。話が回りくどかったり、話が変ったり食い違ったりしても苦にならなかったりする。また、判っていないのに、判った、と意思表示をすることも多い。こんな調子なので、日常会話の中で、知的に問題を抱えているとはなかなか判断し難い。稀ではあるが、経験豊富な精神科医であっても、気付かないケースもある。そんな訳で、周囲が知的能力に問題を抱えていることに気づきにくいので、対等なコミュニケーションが行われやすく、相手の言っていることが理解出来ない、とか、自分の思いを伝えることが出来ない、と言うストレスを抱え込んでいます。

 さて、今回の滋賀県長浜市で起きた中国人妻による2園児殺害事件でも、相手の言っていることが理解出来ない、とか、自分の思いを伝えることが出来ない、と言うストレスが犯人の中で存在していたと察することが出来ます。日本と言う国の中では、犯人のコミュニケーション能力は、非常限られて低いものであったのです。日本語が理解し難い、日本の文化に馴染めていなかった、と言う情報はこうした状況を物語っているようにみえます。

 振り返ってみると、日本語を媒介としたコミュニケーション能力が極端に低い、と言う事実が見えてきます。まぁ、振り返らなくても、日本で生活する外国人の多くはコミュニケーション能力が極端に低い、と言うのは、自然なことです。能力の低さに対して、周囲の配慮があれば、ストレスは和らいだのかもしれません。今後、日本が外国人を受け入れていくと言うのは、こうした配慮が必要と言うことかもしれません。

 更に、子育てはストレスです。犯人にも、子育てのストレスが圧し掛かっていました。子どもが集団に馴染めない(不適応)と言うことでした。追い詰められているようで、さぞ、辛かったでしょうね。事件後、問題が大きくなっている割に、夫の姿が見えてきません。夫は、子育てに協力していたのだろうか、妻がコミュニケーションにハンディキャップを抱えるからこそ他所の家庭より子育てに協力していたのだろうか、そんな疑問が湧いてきます。ノータッチだった、とは思いたくはありません。

 コミュニケーションにハンディキャップがあってストレスが蓄積されたから…、と言って、それだけで事件を起こしたとは思いません。他の原因やそれなりの脆弱性が犯人にあったからこそ事件と結びついていったのでしょう。しかし、この事件は犯人が特別だったから起こった訳ではありません。このようなストレス下で長期に晒されると、誰もがこうした反応を起こす可能性を孕んでいます。これは忘れないで下さい。



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