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2005年7月25日 (月)

FAB(Frontal assessment battery)について

 アクセス分析を見ていると、FAB(Frontal assessment battery)、日本名・前頭葉機能検査の検索をしている最中に私のblogに辿り着く人が毎日数人いるようだ。この検査に関して詳しく書いてある文献に出会えないと言う問題があり、扱いが判らない、使いこなせないと言う問題からでしょうか???。私も詳しくありませんが、少しだけ参考になればと思って、紹介します。

 この検査は、2000年にneurologyと言う専門誌で紹介された検査です。主に痴呆の進行具合をチェックしたり、前頭葉型痴呆の痴呆を診断・鑑別する検査として利用されています(前頭前野が関係するだろうと言われている発達障害の人にも用いることも…)。なんと言っても一番の売りは、素早く実施出来て、従来の神経心理検査に比べて診断・鑑別の精度が高いことでしょうか。今話題の学習療法もこの検査を用いて、その成果を示しています。


 FABは、前頭前野が関与するとされている6つの課題から成り立っています。簡単に説明を加えてみます。問題については、専門性の問題があるために載せませんので、ここでは載せません。検索をすれば、見つけることが可能なので、興味のある方はご自身でお探しください。

�概念化課題
 
右利きの人の場合、左半球の前頭前野の活動(言語概念の操作)を反映していると考えられています。但し、左利きの人の場合は、単純に右半球の活動を反映しているということにはならないので注意が必要です。
�知的柔軟性課題
 
この課題もまた右利きの人の場合、左半球の前頭前野の活動(自発的に言葉を作り出す)を反映していると考えられています。
�行動プログラム課題
 
前頭葉の高次運動野の機能(運動プログラミング)を反映していると考えられています。
�反応の選択課題
 
前頭葉の高次運動野の機能、前頭前野内側面、前頭前野の活動(運動プログラミングや短期記憶)を反映すると考えられています。
�抑制課題
 
両側半球の前頭前野の活動(行動抑制)を反映すると考えられています。
�把握行動課題
 
両側半球の前頭前野の機能(行動抑制)を反映すると考えられています。

 
得点は、6つの課題X3点の合計18点になります。大体、8歳以上であれば、健康な人の場合、満点が取れるとされます。ただ、問題によっては難しいものが若干あるので、健康であれば、17点前後って感じです。

 疾患別の平均は、
健康群=17.3[0.8]、PD(パーキンソン病)群=15.9[3.8]、MSA(他系統萎縮症)群=13.5[4.0]、CBD(皮質基底核変性症)群=11.0[3.7]、AD(アルツハイマー型痴呆)=12.6[3.7]、PSP(進行性核上性麻痺)=8.5[3.4]、FTD(前頭葉型痴呆)=7.7[4.2]となっています([ ]内はSD)。尚、15点以下であれば脳の機能障害が疑われはじめ、11点を下回ると前頭前野の機能の障害の可能性が非常に高くなる。と言ったところでしょうか。

 先ほども触れましたが、FABは、従来の神経心理検査に比べて診断・鑑別の精度が高いのです。世界的に利用されているMMSE(mini mental state examination)で、満点を取れるような人が、この検査だと痴呆レベルになることもしばしばあります。MMSEでは、前頭葉型痴呆の場合、各個人によって得点に大きな開きが出来てしまうので、このようなことが生じるのです。

 まぁ、簡単に纏めたつもりですが、訳の判らぬ病名やデータが出てきて、判りにくかったのではないでしょうか。

【関連blog】
 前頭前野機能検査 ストループ課題(modified stroop test with word interference)
 FAB(Frontal Assessment Battery) 前頭葉簡易機能検査の評価基準について

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FAB(Frontal assessment battery)についてを参照しているブログ:

コメント

初めまして。
前頭葉機能検査について、興味深く拝見させていただきました。

突然、このような質問で申し訳ないのですが、上に記載された疾患別の平均点は、どういった論文に掲載されていたのでしょうか?

実は、先日、前頭葉機能検査とトレイルメイキングテストを実施したのですが、研究論文を見つけられず困っております。
何卒、出典を教えていただければ幸いです。よろしくお願い致します。

質問者様

 2005年頃は、比較的簡単に医学論文を手にする事が出来ました。現在では国内外の文献検索が難しくなってしまい、大変な事だと思います。
 申し訳ありません。随分昔の事になりまして、英語圏の医学論文だったような感じがしますが、即答できません。

早速のお返事ありがとうございます。
出典の件、了解致しました。
もし、分かるようなことがありましたが、教えていただければ幸いです。

一病院勤務をしていると、論文検索は、なかなか骨が折れますね。

まだまだ寒い日が続いておりますが、どうぞお体ご自愛ください。失礼致します。

質問者様

 念のため、文献を調べてみました。Neurology(2000)だと思います。

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